結城昌治『公園には誰もいない』(講談社文庫)読了

 引き続き怒涛の昭和ミステリー、結城昌治『公園には誰もいない』(講談社文庫)読了。

 『暗い落日』に続く私立探偵真木シリーズの第2弾。
 駆け出しの女性シャンソン歌手・伶子が失踪、その捜査を母親から依頼される真木。

 今で言うライブハウスやジャズ喫茶を舞台に、店のマスター、マネージャー、バーテンダー、レコード会社のディレクターなどが絡む複雑な人間模様が浮かぶ。

 やがて真木は、軽井沢の別荘で伶子の死体を発見し、何者かに殴られ気絶する。
 さらにここに新たな人物が登場し、さらに複雑な方向へ…。

 初出は、1967年。もちろん長野新幹線などなし、今では考えられないほどの警察捜査の敷居の低さやプライバシーの危うさ、それが懐かしかったり、新鮮だったりでハマる。

 タイトルの『公園には誰もいない』は、伶子の歌う曲の歌詞、これが要所要所で流れ、文学的な香りを漂わせる。
 孤高というほど絶対的な印象は無いが、そこそこハードでいい感じ。

河野典生『殺意という名の家畜』(双葉文庫)読了

 昨日は、盛林堂さんに「ルーフォック・オルメスの事件簿」をピックアップしがてら、ひさしぶりに西荻方面の古書店を巡って来た。
 ただ前日の腹痛のこともあり、各店駆け足で…。まあ、何事もなく帰宅。

 その後、河野典生『殺意という名の家畜』(双葉文庫)を読み終える。
 売り出し中の犯罪小説家岡田晨一(私)のもとに以前一度だけ関係をもった女優?星村美智子から会いたいとの電話がかかってくる。
 それを断ったが、美智子は郵便受けにメモを残し失踪する。
 行きがかりから美智子を探すことになる私。やがて美智子の背景を探るうちに高松で起こった焼身心中事件にたどり着く。

 初出は1963年、新幹線開通前の東京〜高松間の宇高連絡船での移動や新しい音楽としてのジャズ、そして新しいメディアとしてのテレビなどなど、それも含めて興味深い。
 特に、オーネット・コールマンの「Lonly Women」が取り上げられるあたりが、この著者の持ち味?

 この時代の作品は前にも書いているが、時代背景なども想像しながら読めて、とても愉しい。
 次は、結城昌治だ。

杉並中央図書館の紅葉

 昨日、近くの杉並中央図書館へ本の返却に行った。
 その帰りに自転車置き場で振り返ると図書館のガラス壁に映った紅葉が見事だったので、写真を撮ってみた。

 その後、高円寺で食事をして戻ってきたら、強烈な腹痛に襲われた。
 その場所が右下腹だったので、虫垂炎(盲腸)か…と。

 1時間ほどして痛みは治まって、本日は特になんともない。何だったのだろう、少し弱っているのか?

鮎川哲也『翳ある墓標』(光文社文庫)読了

 本日の読了本は、鮎川哲也『翳ある墓標』(光文社文庫)、読み終えたのは昨晩で、引き続きの昭和ミステリー。

 鮎川哲也といえば、長編はドラマにもなっている鬼貫警部ものと星影龍三ものなのだが、本作はそのどちらでもないものが二作あるそうで、そのうちの一作がこれ。初出は1962年。

 トップ屋集団「メトロ取材グループ」の男女2人の記者がインタビューしたホステスが翌日死んで発見される。
 そのホステスの死を不審に思った女性記者映子は、その真相を追うのだが、しかしその彼女も無関係と思われる名古屋で殺される。

 そして、同僚の記者杉田とメトログループの面々が、真相を求めて西走東奔する。
 基本的にアリバイトリック破りの本格ミステリ。

 現在は使われない「トップ屋」や本格的なマイカー時代の到来一歩前の時代背景が興味深い。
 しかし、この時代の作品はやたら伊豆方面が関わってくるのも面白い。

 正直なところほんの少し強引な部分を感じないでもないが、地道な調べで少しづつ真相に迫る部分はいい。

 もう一作、異色短編「達也が嗤う」も収録。こちらの結末は、おそらく知る人ぞ知る驚きのもの。一気に読み終えた。

 引き続き同時期の作品へ突き進むのであった。

昨日青森は雪だった。

  本日は青森日帰りの旅。
 昨日からの積雪で、場所によっては50cmほど積もっていた。
 三内丸山遺跡もこの通り。ただ気温は1℃前後と低いのだが、風が弱いこともあってそれほど寒さは感じなかった。
 少しステップが進んだことは、よかったのかな…。

結城昌治『暗い落日』(講談社文庫)読了

 前の『細い赤い糸』に続き昭和ミステリー、結城昌治『暗い落日』(講談社文庫)読了。

 初出は1965年で講談社文庫は1991年に出た、この時期のものは現在本当にお手頃でゲットできる。そんな事情あって、しばらくこの方面へ進む予定。

 日本ハードボイルドの嚆矢の一つと言われる私立探偵真木シリーズの第一作。
 元警察官の真木は、田園調布の実業家磯村から行方不明の孫娘乃里子を探す依頼を受ける。
 乃里子は、元チンピラの恋人吉井がいたが、彼も行方がわからなくなっていた。

 真木が動き始めると、市川とつながるバーの女、そして市川の父親が殺される。その背後に乃里子と思われる女性が現れては消える。
 やがて、磯村家の背後に横たわる暗い闇が浮かび上がってくる。

 舞台となった高度成長期は、高揚感があったのかと想像していたが、本作にはそのイメージは感じられない。
 タイトルの暗い落日が、読むものの心にも染みる。

 金持ちの娘の失踪に端を発する物語は、ロス・マクドナルドの『ウィチャリー家の女』の日本版と言われていることは知られているらしい。
 著者は、そのトリックに不満をもって、本作を書いたとのことであるが、残念ながらそれを読んでいない。

 他の真木ものを読んでないため何とも言えないが、主人公のキャラクターの孤高感は、若干うすい。
 できれば早めに後の作品も読みたい。このあときっとボイルが進むことを期待している。

健康診断異常なし。

午前中、区の健康診断の結果の確認にかかりつけの医院へ。
結果は、いつもとほとんど変わりなく、問題の数値は特になし。
肩こりとか、股関節痛とかそんな不都合はあるものの、消化器・循環器系は、まずまず健康のようだ。

まあ、そろそろ色々不具合が出てもおかしくない年代になってきているので、できるだけ「ご自愛」を心がけよう。

飛鳥高『細い赤い糸』(講談社文庫)読了

 手頃な値段で入手できることもあって、ここのところ昭和期ミステリーに読書が集中している。

 昨日は、昭和37年(1962)の推理作家協会賞受賞作、飛鳥高『細い赤い糸』(講談社文庫)読了。

 汚職を疑われる役人、強盗犯、OL、医師、それぞれ後頭部を殴られて殺されるという事件が4件、現場には、細い赤い糸が…。
 被害者の間には何のつながりも見いだせない。

 あまりに繋がらない被害者たちの背景、それでも同一犯であることを前提に操作する刑事たち。こちらもそのつもりで読むのでどういうふうにまとめるのか気になってページを捲る速度もアップ。

 というと、展開も派手になって…ということはなく、抑えた調子で淡々と悲しい結末へ向かって進んでいく。

 4つの事件とその結末は、高度成長をむかえた当時の首都東京が透けてみえる。
 大作ではないが、しっかりと読みごたえのあるいい作品だ。

 間もなく、結城昌治『暗い落日』も読み終える。

半村良『獣人伝説』(ハルキ文庫)を読了

 11月も半ばになって、いろいろドキドキのスケジュールの予感。
 ここから先がどのくらいバタバタになるのか…という緊張感もあって読書の集中力がアップ。

 半村良『獣人伝説』(ハルキ文庫)を読了。
 獣人などとおどろおどろしいタイトルなのだが、その響きほどエロやグロはなし。

 伊東のホテル目覚た神崎順一郎、しかし彼にはそこまで来た覚えがない。そして、彼のポケットにはGODと記された無敵のカードが…。
 この日から、神崎はある人物たちの尾が見えるようになった。その尾は、三角の先を持ち、いわゆる悪魔の尾だった。
 人間社会に巣食う悪魔を狩る神の使徒となった神崎は、財界・政界の実力者を血祭に挙げていくのであった。
 しかし、敵も黙ってはいなかった。

 善と悪の対立を描く半村良の得意とする伝奇ロマン。
 代表作『妖星伝』などに比べるとスケールもボリュームも小粒ではあるが、シンプルで読みやすい作品。
 少しばかり、物足りない感がなきにしもあらず。

日影丈吉『多角形』(徳間文庫)読了。

 昨夜、時々寝落ちしながらなんとか読み終えたのがこれ、日影丈吉『多角形』(徳間文庫)。
前に読んだ『非常階段』に引き続きの日影作品。

雑誌編集者の落合は、投稿された無名の作家の未完の作品を読んで、その舞台である伊豆へ。
そこでその小説の筋に合わせ、不明な部分を埋めるように事件が起こる。
物語は、落合とその後登場する地元新聞の記者、酸本が精神分析医に語った内容として展開する。

そこらあたりも虚実の境が曖昧する持ち味が発揮されている。
ただ、すこしばかり詰めが甘いのか、こちらが読みきれてないのか…。

終盤は、落とし所をうすうす感じながら読み進めることになった。
ただ、そこは『非常階段』同様にらしいといえばらしい。
初出は1965年。

坂口安吾『不連続殺人事件』(双葉文庫)と日影丈吉『非常階段』(徳間文庫)を読了

  久しぶりの好天の週末の上に3連休だったが、細かな自宅作業ありだった。
初日に近所に買い物と昼食を摂るために出かけただけで、なんとなくダラ〜っと。
一応、温故知新読書の坂口安吾『不連続殺人事件』(双葉文庫)と日影丈吉『非常階段』(徳間文庫)を読了。

『不連続殺人事件』は、純文学サイドからの殴り込みということの上に犯人あての懸賞までかかったいわくつきの作品。
「探偵小説」を読み始めたころ読んだような記憶があったのだが、内容について記憶がない。
古書で買うだけ買って読んでなかったのかも…。
お話は、地方の大家に招かれた作家・芸術家たちが殺されていく。その数は結構多い。
それは、登場人物が多いことともつながっているのかも(ネットを検索すれば相関図が出て来る)…懸賞もあるし、一見ややこしくするのが狙いか。
そのうえ、その数多い死が日々の出来事化していて、暗さがない。ただただ犯人当てのために作られた展開に引っ込まれて行く感じ。

面白くなくもないが、ちょっと集中力を欠くとページを戻らねばならなくなる。色んな意味で問題作。
ちなみに、昭和24年、第2回「探偵作家クラブ賞」長編賞を受賞。

続きを読む»

Profile

  • Author:KsbcKSBC
  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
    日々是、思いのままにならぬことばかり。そんなオヤヂの日々。

    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
Calendar
01 | 2018/02 | 03
sun mon tue wed thu fri sat
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 - - -
Twitter
 
Categories
Tree-Arcive
Links
Recent Comments
Search inside