小酒井不木『疑問の黒枠』(河出文庫)読了

 小酒井不木『疑問の黒枠』(河出文庫)を一昨日、読了。

う〜む、正直しっくり来なかった。初期の探偵小説は、たいがい無理なプロットでもそれなりに楽しんで読めるのだが…。
何が合わなかったのか、文章がすんなり入ってこないままにラストを迎えてしまった。

お話は、ある富豪のニセ死亡広告が何者かによってだされる。それを受けてこの富豪は模擬葬式を行って、還暦と娘の結婚を祝おうとすのであった。
しか〜し、富豪は棺桶の中から出てくることはできなかった。
というような始まりで、娘がいなくなったり、富豪の婦人が病死したりと、面白くなりそうなバタバタが起きるのだが、大した厚さでもないのにページが進まず手間取った。

まあ、誰彼と奨めるような本でもないのでちょっと残念という結論。
お次は、M.コナリーの国内最新刊『ブラックボックス』(講談社文庫)下巻を侵攻中。

酒見賢一『泣き虫弱虫 諸葛孔明 第伍部』(文藝春秋社)読了

 昨晩は、台風18号の影響でかなりの強風で窓の振動と風切音が明け方まで続いて睡眠が十分では無かったし、フェーン現象などでかなり暑い日となった。

ということとは関係なく昨日、酒見賢一『泣き虫弱虫 諸葛孔明 第伍部』(文藝春秋社)読了。シリーズもこれを持ってフィナーレ。

前回までに劉備・関羽・趙雲、曹操もこの世を去って、魏・呉・蜀もそれぞれの皇帝がたち『天下三分の計』が形に。
孔明は、最終目標に向かって南蛮征伐を実施、さらに魏を倒すために北伐へ。

そしてそして、「死せる孔明生ける仲達を走らす」という運命の五丈原をむかえるのであった。
孔明の死後も三国志はもう少し続くのであるが、この物語はここまで。
初巻からノリもよくテンポよく展開する酒見節は、あたかも格闘技中継を見るような読んで楽しいエンタテインメント。

第四部までは、文庫版も既刊。

ジョン・ハート「終わりなき道」(ハヤカワポケミス)と大下宇陀児「烙印」(探偵クラブ 国書刊行会)

 う〜、午後から左首のハリと偏頭痛でどんより。ちょっと落ち着いてきたかな。
 少し時間が経ったけど、ここ半月で読んだ2冊。

 ジョン・ハート「終わりなき道」(ハヤカワポケミス)と大下宇陀児「烙印」(探偵クラブ 国書刊行会)。
 「終わりなき道」は、刑事エリザベスがかかわった少女監禁事件と彼女の上司がやったとされる過去の殺人事件、その彼を敵として撃とうとした少年…そして刑務所の刑務所長ともう一杯いろんな事が絡んでややこしい展開に。
 このややこしさをどうまとめるのかとついついページをめくってしまう。
 そういう意味で読み応えはあるし、面白くないわけでもないが、やっぱり詰め込みすぎなのと無理くりな感じはしないでもない。

「烙印」は、それに比べると力を抜いて読める。この人はトリックとか、推理というよりも人物の心理を描写することに力を入れている。
作品ごとのバリエーションもあり、飽きずに愉しめた。
この2冊のあとここのところは、読書は一休み期に入っている。

ローラン・ビネ『HHhH』(東京創元社)読了

 発売は2013年で昨年入手済みも取り掛かることができ無いままになっていたローラン・ビネ『HHhH』(東京創元社)、久しぶりのノンフィクション。

タイトルのHHhHとは、Himmlers Hirn heiβt Heydrich(ヒムラーの頭脳はハイドリヒと呼ばれる)の頭文字。
ナチス時代に唯一暗殺されたナチス高官ラインハルト・ハイドリヒとその暗殺を実行した2人のチェコスロバキアの若者の物語。
ハイドリヒはユダヤ人虐殺の中心人物で「金髪の野獣」と恐れられていた。

事実関係を順を追って行くだけでなく、かなり作家の考えや思いが織り込まれてかかれているので、随所で気持ちを入れ直しながら読んでいく形になった。

映画「暁の七人」を観たくなった(なんか随分前に観たような気がしないでもないが…)。

「ミステリー・レガシー:大下宇陀児 楠田匡介」(光文社文庫)読了。

 読書エンジンまずまず快調。
昨晩、「ミステリー・レガシー:大下宇陀児 楠田匡介」(光文社文庫)を読み終える。
光文社文庫のミステリー文学資料館が編集する年代物?ミステリーの企画もの。
大下宇陀児の「自殺を売った男」と楠田匡介「模型人形殺人事件」、2人の合作「執念」を収録。一応、レアな作品ということになっている。
「自殺を売った男」は、自殺し損なった今でいうハングレ男が巻き込まれた変な事件。主人公が麻薬中毒だったり、その嫁の行動力が半端なかったり…だれが探偵役なのか曖昧だったり。
「模型人形殺人事件」は密室ものなのだが、なんだかフォーカスが定まらないまま解決してしまった。
最後の「執念」が、タイトル通りのわかりやすい。

どれも昔のおおらかさでこちらもそんな気持ちで愉しむべし。

イアン・ランキン『寝た犬を起こすな』(ハヤカワ・ポケミス)読了

 〈リーバス警部シリーズ〉 の最新刊『寝た犬を起こすな』(ポケミス)を土曜に読み終えた。

再度の定年延長でシボーンが上司とななったリーバス。今回は、名士の娘や息子が絡んだ事故に始まり、リーバスが駆け出しの頃の捜査チームの不正?をもう一つのシリーズの主人公フォックスが追う。
まあ、派手さはないがスコットランドを含む英国の社会背景も絡む手堅いストーリー。

読書エンジン再始動でギアが入って一気読み。

甲賀三郎『蟇屋敷の殺人』(河出文庫)読了

 読書の力も徐々に回復。3日前の『拾った女』に続き、甲賀三郎『蟇屋敷の殺人』読了。

戦前のいわゆる”探偵"小説でタイトルからしてオドロオドロな感じの上、のっけから首を切られた死体が登場する。
その上、巨大なガマの置物やらなんやら…と思わせぶりなのであるが、書かれた時代もあり多少のツッコミどころはあるものの、スリリングで真っ当な展開。

探偵役が頼りない小説家村橋なのか、警察の萱場警部なのか中途半端な部分は愛嬌か…。

テンポよく愉しめた。次はランキンのリーバス最新作へ。

J.トンプソン『血の極点』(集英社文庫)読了

先日、古書店でゲットしたJ.トンプソン『血の極点』(集英社文庫)を読了。

フィンランド警察カリ・ヴァーラシリーズの最終巻。最終巻と書いたが、話が終わったわけではない。トンプソンが急死したためこれが最終となった次第である。

今回も弱きを助け、法の隙間と敵の弱みを突いた攻めでフィンランド社会の悪を挫くヴァーラたちであった。
ただ前作までの流れを引き継ぐ展開が長い。今回のお話がなかなか始まらない、そのうえ解決までが思いの外タンパクなので物足りない。

ゆくづく、いよいよヴァーラが警察官として本格的に法で裁けないヤカラを切りまくる立場になって…というところで次作がのぞめないのが残念。

日影丈吉の『幻影の城館』(河出書房)読了

 ここ何年か読書のしかたが変わってしまった。以前はつかれていても寝る前のや電車の中での読書が気分転換だった。
 しかし、今では布団に入って本を広げるとすぐに睡魔が襲ってくるし、移動中の電車の中もなんとなく周りの会話や音が気になってしまう。

 昨晩、久しぶりの日本人作家日影丈吉の『幻影の城館』(河出書房)を読み終えた。さまざまな時代の作品全11編収録の河出書房オリジナルの傑作選。
 どの作品も日影節というか、独特の不思議な感覚に包まれた作品が並ぶ。最後にドキッとさせる「オウボエを吹く馬」に始まり、あるときはノスタルジー、そしてあるときはエロティシズム、そして謎解きと著者のさまざまな面が楽しめる。

 幾つかの作品集を読んでいるが、どの作品未読、この一週間忙しいなかでも楽しめた。
 もう一冊、日影集が出ているようだが、そちらは既読作品が多そうだ。

M.ヨート&H.ローセンフェルト『模倣犯』<上><下>読了

 毎年のごとく年度末から年度初めにかけては、バタバタで終始。当然、読書も気持ちよくはかどらずとなっている。先週、半月をかけてなんとか、M.ヨート&H.ローセンフェルト『模倣犯』<><>を読み終えた。
 面白いには違いないのだが、なにせ気持ちが小説世界にじっくりとはいかず、ちょっと読んでお休み…を繰り返す状態が続いた。なんとか下巻に入って、展開も激しくなるし、コチラも少し気持ちが入ってスピードが上がった。
 
 嫌キャラのセバスチャンが、名を挙げるきっかけとなった連続殺人事件の手口を真似たと思われる事件が発生。元の事件の犯人ヒンデは服役中で実行は不可能だ。
 セバスチャンはクビになったはずの捜査チームに押しかけ復帰、事件解決に取り組む。
 前作で明かされた衝撃の事実?が、展開のキーにもなっているので、ネタバレになるためアレコレ書けない。
 「ヴァランダー」や「The Bridge」の人気TVドラマの脚本を担当しているだけあって、読み気をつなげるところは流石だと思わせる。
 ラストも次作?へのブリッジも配置されて、次が待ち遠しい憎らしいエンディング。
 
 読んで損はないが、前作から読むのが必須だ。
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  • Author:KsbcKSBC
  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
    日々是、思いのままにならぬことばかり。そんなオヤヂの日々。

    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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