久しぶりの読書記録はI.ファルコネス「海のカテドラル」<上><下>

Cathedral_del_mar 昨年9月から仕事プレシャーが続いている。ほんの気持ちその圧力が弱まってはいるが、次なる圧力がかかってきたりで余裕はあまり生まれていないのが現状だ。
 年末は、自宅作業を少しと年賀状作りで主に自宅で過ごしたが、プリンターの故障でプリンターの買い替えまでしなければならなかった。

 年始は、2日にラグビーの大学選手権の観戦に国立まで出かけ、帝京大学のラグビーに熱いものを感じさせてもらったりで、なんとなくほっこりと過ごすことができた。

 そういったなか、久しぶりの読書記録である。昨年のプレッシャーのはじまりから読書をまったくやめていたわけではない、記録を書いてこそいないが、「愛おしい骨」、「最後の音楽」、「死角」の話題作をはじめ「ウラジオストクから来た女」など10作ほど読んではいるのだが…。その辺は追っかけどっかで書いていこうと思っている。

 さて、久しぶりの読書ネタはイルデフォンソ・ファルコネスのデビュー作「海のカテドラル」<><>(ランダムハウス・ブックスプラス)である。でた時から気にはなっていたが、新人ということと上下巻ということで様子見にはいっていた。
 年末に駅前のブッコフで2冊で1100円でゲット、 年末年始の休みで読了となったわけである。

 内容は、かんたんにいうと中世バルセロナを舞台とした不屈の自由人の一大叙事詩ということになろうか。主人公に次々とのしかかる苦難を彼の魂の支え「海のカテドラル」の建造を平行に描きだす。

 領主に新婚の妻を寝取られたうえ、その妻を乳母として奪われた農民バルナットは、領主の下僕の少年を殴り殺し、乳飲み子の息子アルナウを奪い、バルセロナへ逃亡する。それは当時、バルセロナで1年間暮らせば自由民となれるという決まりがあったからであった。
 ベルセロナで金持ちの職人に嫁いだ妹の家に逃げこむバルナットであったが、その生活は1年を過ぎても奴隷と同じものであった。そこで成長するアルナウ、彼こそがこの物語の主人公である。

 アルナウ少年は、バルセロナで建設中の「海のカテドラル」現場で働くバスターシュ(沖仲仕)に心動かされ、やがて一人前のバスターシュへと成長する。ここからが、本格的な苦難の道の始まりなのである。
 上巻は、主に貧しさといわれなき屈辱にまみれる不条理の物語り、下巻は立身出世の成り上がりと人種・宗教を背景とした苦難劇。 主人公が、振りかかる困難をなんとかクリアすると次の困難が…これでもかこれでもかとやってくる。これでまだ上巻だぞ…なぞと思いつつページを捲る手が止まらないのであった。

 やや、困難の克服に都合がよいかな…と思わせる部分がないでもないが、自由を求めた信念の男の物語として、読み応え充分。読書の歓びをたっぷり味合わせてもらった。

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

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  • Author:KsbcKSBC
  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
    日々是、思いのままにならぬことばかり。そんなオヤヂの日々。

    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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