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B.テラン「音もなく少女は」読了

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 世間はお盆休み、毎年のことながらなぜだたこの時期忙しい。毎年のレギュラーにプラスして2本が重なり週末は出る必要はないものの落ち着かない状態。
 読書もここのところ少しばかり盛り返しつつあるがイマイチのペースだ。

 そのうえ仕事とは関係ないながら購入したCDのデジタイズ用に使っていたHDが、USBコネクタ部分の故障で接続不良となって数百枚分のデータが読めなくなってしまった。トホホ…。
 このHDはWestern Digitalのポータブルモデルで、HDドライブにUSB回路が直付けしてあるタイプでドライブには問題ないのにケースを替えてデータ救済というわけにはいかない。ちょっと悲しい。

 で、読書は先週の半ばに“暴力の詩人”との異名をとるボストン・テランの新刊「音もなく少女は」(文春文庫)を読み終えていたのだが、Blogに書くパワー不足、なんとか本日に…というわけである。
 彼の作品はこれで4作目、すべて読んでいるのだが、このBlogをはじめた頃に前作「凶器の貴公子」について書いたのだが、期待はずれだった。そんなこともあって購入にやや躊躇があったが、実に読み応えのあるいい作品だった。

 物語のスタートは、1960年代のブロンクス。少女イヴが彼女は姉同様に聴力を持たずに生まれ落ちる。この彼女の成長に合わせ彼女と彼女の周辺に起こる苦難を通して、彼女の人間としての成長とアメリカの社会的矛盾を描き出す渾身の一作である。
 彼女の不幸は聴力を持たないことよりも、麻薬売人である暴力的な父親を皮切りに彼女を取り巻く環境にいる弱い男たちの存在だった。 そんなイヴの救いとなるのがキャンディストアを経営する孤独な女性フランだった。フランもまた悲しい壮絶な過去に大きく傷ついた経験をもっていた。

 イヴは幼い頃手にしたカメラで自分の周りの一瞬を切り取る喜びを見出し、成長していく。やがて訪れる父親の逮捕、母親の死、愛する男性との出会い、そして…。派手さはないが、随所に急展開が配されてページをめくる手を止めさせることがない。
 そして、そこには一人の少女の人間としての成長とか弱き(実は強い)女性を苦しめる弱き男たちとアメリカ社会の矛盾が描かれている。

 日本語訳のタイトル「音もなく少女は」は主人公イヴをシンボライズしたものだが、現代は“Woman”。このタイトルの意味することこそテランの描きたかった本質であることは間違いないだろう。かといってエンターテインメント性もあってそのへんが押し付けがましくならない絶妙のバランス。
 これまでとは少しイメージが違った作品であったが、読後も充実。
 最後にカバーに使われた写真は、本作にはそぐわないと思うのは当方だけ…?。

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

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非公開コメント

あのカバーは違いますよね。

テンタルさん、はじめまして。そしてコメントありがとうございます。

そうですよね、あのカバーは絶対に違いますよね。

こちらもお邪魔させてもらいます。

はじめまして
偶然、昨日本書を私も読了しましたので、
気になりこちらにお邪魔しました。
良い作品でしたね・・・。
心に残りました・・・。

私も、この表紙はどうかな・・・?と思います。
イブのイメージではないですよね。

これからも、またお邪魔します♪
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  • Author:KsbcKSBC
  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
    日々是、思いのままにならぬことばかり。そんなオヤヂの日々。

    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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