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読書が本格再開「フィデルマの洞察」と「機械探偵クリク・ロボット」読了

fidelma_5.jpg W杯もいよいよ決勝、3位決定戦の2試合を残すのみ、準々決勝、準決勝は仕事の納品・現場作業と重なって睡眠不足がピークとなってしまった。そういった状況ではまともに本が読めるはずもなく、打ち合わせ等で出かけた際にゲットした本がむなしく積ん読となっていた。

 W杯は、めでたくオランダが決勝へ進み、今大会最も美しいサッカーを展開するスペインとの無冠同士の興味深い対決となった。3位決定戦も新時代を迎えたドイツと信念のサッカースタイルを貫き通すウルグアイとのこれまた興味深い対戦。またまた睡眠不足がやって来るぞ。

 そんななか、お休み状態だった読書を本格再開。今回は新刊で出た早々に入手済みだった2冊「フィデルマの洞察」(東京創元推理文庫) と「機械探偵クリク・ロボット」(ハヤカワ・ミステリ)である。

 まずは、P.トレメインの古代アイルランドを舞台とした修道女フィデルマの日本オリジナル短編集第2弾「フィデルマの洞察」から。
 7世紀のアイルランド、 法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ修道女フィデルマを主人公とするシリーズで、作者は古代アイルランド史の研究者でもある。
 もともととても進歩的であった古代アイルランド社会を紹介し、親しんでもらうために書かれたもので、そういった面からもとても興味深いシリーズである。

 収録作は、「毒殺への誘い」「まどろみの中の殺人」「名馬の死」「奇蹟ゆえの死」「晩祷の毒人参」の5編。
  「毒殺への誘い」は、フィデルマを始めとして宴に招かれた者たち全員が、その主人との間に諍いがあった。その宴の最中に主人が毒が入った酒を飲んで死んでしまう。その場にいた誰もが、動機がない訳ではないのだが…。

 「まどろみの中の殺人」は、小さな村の修道士が深い眠りから起こされると、その傍らで村の少女が刺殺された姿で発見される。発見者の少女の兄、少女の婚約者が絡んで…修道女フィデルマが誕生した作品とのこと。

 「名馬の死」は、古代アイルランドで大々的に開催されていた競馬祭り?の最中に近隣の支配者お抱えの騎手と優勝候補の馬が殺される。そこで逮捕されたのは、騎手を横取りされ、支配者に対してライバル心をあらわにしていた修道院長だったが…。

 「奇蹟ゆえの死」は、孤島で起こった位の高い修道女の転落死の真相を調べるフィデルマ。事件の背景には、古代アイルランドのキリスト教最初期の聖人の秘密が関わっていた。

 「晩祷の毒人参」は、フィデルマが身を置くキルディアの修道院で起こった客人である鉱山技術者の毒殺事件。新たな金鉱を発見したと思われる技術者の死の裏には何があったのか…法をもって事件を裁こうとするフィデルマであったが…その法と信仰との間の葛藤が描かれる。

 最初期の「まどろみの中の殺人」はまだフィデルマのキャラクター付けがあいまいであるが、一作目というわけなので仕方がない。しかし、どの作品も物語ごとのテーマも明白で読みやすい。
長編と違って、事件の部分をぎゅっと濃縮した形の短編で、複雑な背景を追って読む必要がなく、このシリーズの入り口としてはやはり短編集がいいと思われる。いつもながら、次作がすでに待ち遠しいシリーズだ。

kriki robot お次は、フランスのユーモア作家カミの「機械探偵クリク・ロボット」。
 こちらは、1945年と47年に書かれた2本の中編をまとめたもので、クリク・ロボットの活躍する物語はこの2編のみということである。
 四角い頭に小さなチロリアンハットをかぶったロボット、クリクは古代ギリシャの発明家アルキメデスの直系の子孫ジュール・アルキメデス博士によって作られた高性能機械探偵なのだ。

 5つの館が並ぶ広大な庭園でおこった不思議な殺人事件「五つの館の謎」とパンテオンの安置された偉人の遺体を人質に身代金を要求する犯罪株式会社との戦いを描いた「パンテオンの誘拐事件」を収録。
 どちらもクリクとアルキメデス博士のコンビがクリクのさまざまな機能を駆使したあざやかな手並みで見事に解決する。

 当然、このクリクたちの活躍を快く思わない刑事グリモーなど面白キャラクターもからんで、軽くドタバタ・ハチャメチャしながら楽しく展開する。クリクの機能も当時としてはかなりぶっ飛んだスーパーテクノロジーで、それも見どころ。
 そのうえ著者本人によるおとぼけ挿し絵もふんだんにあって、まったく理屈抜きに楽しい作品。やられた。

 というわけで、これから本格的に読書を再開、たまった本に地道に取り組んでいきたいところである。

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

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よかったです

ポール・ブリッツさん、いつもありがとうございます。
私が書いたわけではないですが、喜んでいただけて嬉しい限りです。
贋作?是非チャレンジしてください。読ませていただきます。

クリク・ロボット面白かったです。

わたしの好みにぴったり。

贋作を書きたくなりましたが、あれほど面白くするのは難しいなあ……。

ご紹介ありがとうございました。

「クリク」オモシロイです。

まいどありがとうございます。
「クリク」オモシロイです。むずかしいことを排して、未来の技術(当時からみた)前回で小気味よく難事件を解決してくれます。

アルテは、2作前で止まってます。ポケミスはなかなか古書で出ないもので…(笑)。

タコは、私が食べます。

クリク・ロボットおもしろそうですな。

それにしてもフランスの星、アルテ先生の新作はいつ出るんだろう。


こないだ「アデスタを吹く冷たい風」を借りてきて読了しました。
噂にたがわぬ面白さでした。


今回のワールドカップ、サッカーよりもタコの運命のほうが気になる(笑)
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  • Author:KsbcKSBC
  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
    日々是、思いのままにならぬことばかり。そんなオヤヂの日々。

    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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