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やっとたどり着いた藤雪夫・桂子「獅子座」、「黒水仙」

Shisiza, Kurosuisen ここのところの書き出しは、もっぱら年度末のこと。とにかくバタバタするのがお決まり、今年が特にヒドイということは全くない。時節柄、いつもより落ち着いているぐらい。
 これには理由がある、実は仙台がらみの仕事以外にもうひとつあるのだが、これが諸事情で3ヶ月ほど納期が延びてしまった。そのため、少しゆるくなっているというのが実情なのであった。

 先週は二度の仙台出張もあって、ひっちゃかめっちゃかであったが、なんとか放置プレイだった藤雪夫・桂子親子の2冊へたどり着いた。この2冊は、最近、創元推理文庫にて復刻されたのであるが、その一冊「獅子座」がsugataさんの「探偵小説三昧」で取り上げられていたので気になっていたのだ。
 そこで、Amazonをチェックしたところオリジナルの講談社の単行本が同じ出品者からお手頃価格で購入できたというわけである。

 藤雪夫氏は、この2冊を残してなくなられている、桂子氏はこのあとも単独で何冊かを出版されているようであるが、不勉強?で知らなかった。
 まずは、「獅子座」。鮎川哲也「黒のトランク」と競った作品ということなのでオリジナルはさらに古い。
 埼玉のある町の警察に殺人事件を目撃したとの女性からのタレコミがあり、殺されたサラ金の支店長の屍体が、下流で発見される。地元の警察と協力して捜査にあたるのが、警視庁の菊池警部で一応、彼が主人公と言う事になるのかな…。

 埼玉に出張って捜査にあたる菊池警部は、サラ金に努める青年と親しくなるが、事件の鍵が見え隠れしたところで、青年も遺書を残して死んでしまうのだが、これまた怪しい。
 基本的に前半は複雑な暗号を解き、犯人と思われる人物のアリバイにつきあたるというところ。

 後半は、このアリバイ崩しとこの殺人に至る前の恐ろしい事件と悲しい人間ドラマ。これがなかなか読ませる。ここで書いてしまうとぶち壊しになってしまうので書けないが、なかなか複雑な糸が絡み合ってフィナーレへ向かっていく。

 前半のかなり複雑で細かなアリバイや殺人トリックを駆使した本格部分と後半の濃密な人間ドラマ、こう書くと良さそうにも見えるが、sugataさんもお書きになっている通りバランスが悪い。どちらも悪くないだけに勿体無い。

 2作目の「黒水仙」も基本的に同じようなスタイル。仙台近郊の町で銀行の支店で2人の銀行員が射殺され、現金一億円が奪われる。行員の口には黒水仙の刺繍が施されたハンカチが詰め込まれていた。
 行方不明になった支店長の犯行かと思われるが、その支店長も山間の道路から車ごと転落して発見される。
 やがて、地元の呉服店の店主が浮かび上がり、逮捕されるのだが…。

 奪われた現金が東京で発見され、前作同様警視庁の菊池警部たちが捜査に加わる。今度は、現金が出てきた電気部品メーカーの倉庫で警備の社員が殺されるが、これが実質的な密室。ここにきても事件が複雑な様相を呈してくる。
 この殺人のトリックが、当時としてはちょっと反則に近いほどの新しさでちょっと驚きである。

 そして、この殺された警備員の男が登場するあたりからストーリーが、前回同様の人間ドラマになってくる。この男の家族模様と過去、東北の山間の温泉町で絡み合う登場人物たち。
 いやいや、これまたバランスが悪い。本格か人間ドラマかどっちかにして欲しいものである。どちらもそれなりに手応えがあるので、始末が悪い(失礼)。

 ただ、この後半にこれが書かれた80年代としては、出色のキャラクターが描き出されている。このキャラクター今でこそ、「あり」な性格であるが、これはスゴイと思う。
 このキャラクターに出会うだけでも読む価値があるんじゃなかろうか…、個人的にはそう思った。

 sugataさん、本2作を読むきっかけをありがとうございました。また、参考にさせていただきます。

 とにかく前半は殺人トリックとアリバイの構築のための展開で、じれったい。

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

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やっとこさです

sugataさん、どうも。
年度末でバタバタしておりまして、やっと藤親子を書くことが出きました。
確かに、あのキャラクター造形を娘さんがしていたとしたら、興味がわきますね。Amazonの作品タイトルを見ていると娘さんって感じですね。
今後も参考にさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

お呼びになったでしょうか(笑)。
藤雪夫、藤桂子の二作品は本当に侮れませんね。特に半分、父親命令で手伝ったような娘さんですが、これは相当な筆力ではないでしょうか。彼女の単独作品も読んでみたくなって、最近は古本屋へ入るたびに探しているのですが、その気になるとなかなか見当たりません。何とかの法則ですね。
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  • Author:KsbcKSBC
  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
    日々是、思いのままにならぬことばかり。そんなオヤヂの日々。

    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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