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溜まっている読了本 その2~翻訳もの

Fidelma 年末年始の期間中の読了本の残りが4冊、どれも翻訳ものである。順番で行くとNZ出張中からとりかかったP.トレメインの「蛇、もっとも禍し」<><>(創元推理文庫)、その後横山秀夫を挟んでジョージ.R.R.マーティンの短編集「洋梨形の男」(河出書房新社)、そして年が明けてから読み終えたA.レジューン「ミスター・ディアボロ」(扶桑社ミステリー)。
 もう一冊は、近いうちにということで、この3冊。

 まずは、「蛇、もっとも禍し」である。これはお気に入りの古代アイルランドを舞台とした修道女フィデルマ・シリーズの国内第4弾。前作が短編集だったので、長編としては第3弾ということになる。
 NZ出張用に出たばかりの11月末に上下2巻とも新刊にて購入したのだが、出張中は厳しいスケジュール状況下、「祖国なき男」をなんとか読み終え、とりかかったもののほとんど手がつけられないまま帰国。帰国後本格的にとりかかり、面白さもあって一気に読み終えた。

 物語は、アイルランド南部の“三つの泉の鮭”女子修道院"の井戸から首のない女性の屍体が発見されるが、被害者が誰なのかも、犯人も不明。そこで派遣されてきたのがフィデルマ。
 フィデルマが修道院に赴く途中に難破船らしきものと遭遇、その船の中に懐かしい修道士エイダルフの持ち物が…、エイダルフの安否も気になるフィデルまであったが…。

 まずは任務の首なし殺人の捜査にとりかかるのであるが、この修道院の院長と領主との間が不仲でややこしいうえに、修道院内の人間関係もなにやらきな臭い状態。
 そんな状況下でもフィデルマは、気持ちの起伏をこえて論理的に推理をめぐらしていくのである。

 とにかく、古代アイルランドを描いた適度な重さとファンタジーにも通ずる幻想的な世界観がいい。そして、舞台となった地方のケルトの信仰をバックグラウンドにした風土と複雑な人間関係が、いくつもの事件のバックグラウンドとなる。
 手堅い上に、読んでいて楽しいシリーズである。

Pearshaped man お次は、未読ながらSF方面では<タフの方舟>や<氷と炎の歌>シリーズなどで評価の高いG.R.R.マーティンの不思議な味わいの作品を集めた日本編集の短編集「洋梨形の男」。
 こちらは、編集を以前ここで書いたことにある藤原編集室さん(ここのお仕事は要注意だ)が担当している。

 前に読んだ「サンドキングズ」もちょっとひねくれた作品の短編集であったが、これはそれ以上にひねくれている。収録作は以下の6編。

 奇妙で恐ろしいほど効き目のある方法でダイエットに挑む男を描いた「モンキー療法」、これはほとんど読んだことがないが星新一的?。
 サマー・オブ・ラブに自由奔放な青春期を過ごしたトラブル・メーカーの女友達メロディーに転がり込まれた中年男のお話「思い出のメロディー」(タイトルがイイねっ)。
 一緒に暮す娘に出ていかれた作家リチャードに娘から送られてくる自作の登場人物の肖像画が引き起こす、現実とも妄想ともつかない悪夢のようなビジョン「子供たちの肖像」。
 ハンクのバーで巻き起こる想像の原因は、もつものを何かに変えてしまうという力をもつ不思議な石だったが、それが引き起こした結末は…「終業時間」(これも星新一的?)。
 そして表題作「洋梨形の男」は、「モンキー療法」同様、異常に太った男が引き起こす恐ろしくい摩訶不思議。引っ越したアパートの地下に住む洋梨形の男につきまとわれる?ジェシー、彼の目的はいったい何なのか…。
 現在今ひとつの状態の大学時代のチェスチームのメンバー3人が、大会でミスったもう一人のメンバーに10年後に呼び出され、ソフトウェア開発で大成功したその男の豪邸に集まったのだが…この男意外なものを発明し成功しただけでなく、他の3人の人生に大きく関わっていた。そして、3人と男のチェス対決が始まった…「成立しないヴァリエーション」。

Mr.Diabolo ちょっとブラックでダークだけど6編とも雰囲気の違うヴァリエーションもある短編集、これは駅前Book◯ffで800円で購入。

 お次の「ミスター・ディアボロ」も駅前Book◯ffで450円で購入。比較的最近の発売で新刊で買うのかどうか迷っていたということもあり、これはしょうがないところ。
 冒険小説を得意とする(昔、二見書房から一冊出ていたらしい)A.レジューン(名前もいろんな呼び方がされている)の唯一の本格ミステリで、扶桑社による60年代の発掘作品。

 イギリスの大学でその昔の起こった不思議な事件、ミスター・ディアボロ事件。彼に出会った学生が自殺したという。その話が、学会の出席者の間で披露されたそのあと、シルクハットにマント姿の人物が現れ、不可能と思われる場所で姿を消す。
 その後、出席者である伊達男が密室で殺される。

 事件を追う探偵役は、他のレジューン作品に登場する陸軍省所属のブレーズと元部下の外務省のバーク。ふたりはあたかもホームズ、ワトソンのような関係で最終的に事件を解決に導く。
 描かれる密室や消失といったテーマは決して目新しいものではないけれど、話の展開によって読むものが混乱したり、ほうっと思わせ、採取的な謎解きへ導いていく。
 この謎解きがこれまた鮮やかすぎて、たいしたことなげに思えるほどである。

 ちょっと、チャッチい話かなと思っていたが、読み進めていくうちに「知られざる60年代本格の逸品」といのも言い過ぎでないと思った。

 これで、あと一冊、なんとか今週のうちには追いつけそうだ。

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

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  • Author:KsbcKSBC
  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
    日々是、思いのままにならぬことばかり。そんなオヤヂの日々。

    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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