スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

横山秀夫「震度0」+「影踏み」読了

2Books あ~落ち着かない。どうやら今年一杯はこの調子が続きそうな雰囲気である。
 休みも近所に買い物か散歩程度に出かけるのが精一杯、何かしようという体力も気力も湧かない日々である。

 今日は、昨年から不調だった電話・FAXを廃棄、新たに電話を買いに吉祥寺へ。もう実質的にFAXを使っていなかったので、電話機で良いという判断、売り場にある子機付電話の低価格機、サンヨーTEL-DJ2を購入。小さくて場所をとらずである。

 まあ、そいう最近の動向で、特筆する事柄はなく、もっぱら移動時間と就寝前の日常から逃れる手段が読書。それもまともに書けていない。先週の週末までに一気に読み終えたのが、横山秀夫「震度0」(朝日新聞社)+「影踏み」(祥伝社)。
 どちらも駅前のBook ○ffで、単行本200円コーナーでゲットしていたもの。

 まず、「震度0」。本作は、現在のところ最新作?ということになる2005年出版の長編。
 物語は、阪神・淡路大震災の日のN県警が舞台。その日の朝、県警本部警務課長の不破が失踪、キャリア組の本部長椎野・警務部長冬木、ノンキャリアの刑事部長藤巻、そして神戸への応援準備に追われる警務部長堀川らが、権力闘争を繰り広げながら、不破の行方を追う。
 職務に忠実な不破は、なにゆえ姿を消さねばならなかったのか…。

 県警本部庁舎と官舎という狭い社会のなかで繰り広げられる人間関係。本部内の人事を握り、実質的な支配を狙う冬木と椎野の権力闘争、そして、不破捜索の主導権を握り、本部内の主導権を狙う藤巻。さらに、どちらに着くべきか…うごめく各部署の頭たち。
 そしてそして、官舎でもそれぞれの妻たちが、それぞれの思惑を抱えながら暮らしている。

 刻々と明らかになる地震の被害と不破の周辺、それに合わせるように椎野と県内のフィクサーとの関係、そして本部ないの男女関係…。もうドロドロなのである。
 とはいうもののテンポがあってヘビーにならないのが、横山テクニックともいえる。直接、震災が関わってくることはないが、効果的に挿入され、意外がいくつも重なってラストへと向かっていく。
 この結末は、タイトルの「震度0」、まさしく県警本部で起こった地震である。結末は、緊張感かの開放とちょっとした優しさに満足。要所要所で物語を引き締める堀川の存在も気持ちよい。

 「影踏み」は、窃盗で服役、出所まもないノビ師真壁修一の過去を振り払い、自分を取り戻そうとする連作ピカレスクロマン。そもそもノビ師とは、深夜寝静まった民家を襲い現金を盗み出すというもの。
 修一は、15年まえの家族に起こった出来事をきっかけにその道へ落ちた、司法試験を目指す男だった。あの日失った双子の弟啓二の声が修一の頭の中で聴こえるようになっていた。

 修一は、逮捕のきっかけとなった事件の裏にある真実を突き止めようとする。彼が忍び込んだ時、部屋にすむ女は部屋に火を点け、夫を殺そうとしていた。修一は、それを知らねばならなかった。
 やがて、幼なじみの刑事を巻き込み、裏の真実が明らかになっていく。

 修一は、犯罪に手を染めた人間にまとわりつくように起こる事件をノビ師のテクニックと啓二の助けを借りながら解決?していく。ニヒルだが、恋人久子を心から消すことができないうえに、やさしさも合わせ持つ。
 修一と啓二の頭の中でのやりとり、プロの犯罪者としてのプライド、そして冷たく燃えるハートがノビ師のテクニックを通して描かれている。
 読後にどこかポッとこころが温かくなるような不思議な味わいをもっている。この感覚は横山作品としてははじめてのもの。いつものように巧さは格別である。

 実は、昨日もG.カーシュ「犯罪王 カームジン」を読み終えてはいるのだが…。

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

Profile

  • Author:KsbcKSBC
  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
    日々是、思いのままにならぬことばかり。そんなオヤヂの日々。

    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
Calendar
07 | 2017/08 | 09
sun mon tue wed thu fri sat
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
Twitter
 
Categories
Tree-Arcive
Links
Recent Comments
Search inside
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。