F.P.ウィルスン「始末屋ジャック 凶悪の交錯」<上><下>読了

2Books とにかく落ち着かないバタバタとした日々。寝る暇もない…というほどではないが、仕事が重なっていたり、決まらないことが積もり積もって溜まっていたり…。
 季節も変わり目をむかえて、体調もすっきりしない。以前のように無理が利かないことはこれまでも何度も書いているが、日々それを痛感する毎日となっている。
 そうなると、現実から逃避するもっとも手ごろな手段が読書。特にF.P.ウィルスンのアドヴァーサリ・サイクルシリーズは最適といっていい。

 国内出版元の扶桑社がシリーズ翻訳の中止を決定したが、なんとファンの声に押されて、めでたく復活。かくゆう当方も扶桑社ミステリー・ブログに復活をのぞむ書き込みをしてしまった。ここで扶桑社の編集担当氏にお詫びしておかねばならない。
 実は、この最新刊「始末屋ジャック 凶悪の交錯」<><>(扶桑社ミステリー)までの<アドヴァーサリ・サイクル>のすべて、いや、これまで読んだ扶桑社以外の作品も含むすべてのF.P.ウィルスンの作品を古書で購入してました。
 これからは、新刊で購入することを誓います(笑)ので、ご容赦を…。

 というわけで、待望の日本国内新作である。前作から少し間をおいて登場であるが、当方が前作を読んだのは昨年3月のこと。熱心なファンの方よりは、間をおかずということになるかな。なにせ一昨年の年末から昨年の春までは、F.P.ウィルスンまつりだったからなぁ。
 今回のジャックの始末は、犬を連れた老女に依頼された新興宗教に入信した息子探しと性的スキャンダルをネタに脅される修道女からのネタ消し。

 当然のことながら、アドヴァーサリ方面は新興宗教が受け持って、アチラの世界の復活(と呼んでいいのかな)を目指す。この手の宗教団体がアメリカにはごろごろありそうで、嘘っぽくないのがコワイ。
 ジャックは、いつものように別人になりすまし、組織に入り込んで息子探しを実行、徐々にこの組織の暗部を明らかにしていく。

 もう一つのほうは、そう難しいと思われない始末のはずだったのだが…修道女マギーの善なる部分が、最悪の方向へ導くことになる。怒りに燃えたジャックは、この二つの始末を最終的に一つの形にまとめ上げていくのである。
 そこら辺は、ウィルスンの腕の見せ所であるが、お気に入りでここまで書いてきただけに実にこなれていて、胸のすく結末となっている。 

 さらに、新興宗教の親玉の部屋で見た地球儀に標されたものの意味するところや犬を連れた老女やら、ラサロムこそ登場しないが、いつもの<アドヴァーサリ>ものが、配されて近づきつつある「ナイト・ワールド」の匂いが強く漂ってくる。
 もう、ページをめくる手が止まらない、さすがといえばさすがの面白さ。読み終えた所なのに次が待ち遠しい。

 扶桑社さんにがんばって欲しいが、こればっかしは売れてくれないと次が出ない哀しい出版事情。ジャックの第1作「マンハッタンの戦慄」の<上><下>も本作とあわせて、強力プッシュ中とのことなので、多くに人に手に取って欲しい。
 どうなの…?とお思いの方は、古書店で探して見てはいかがだろう、以前はけっこうみかけたけどねぇ。

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

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  • Author:KsbcKSBC
  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
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    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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