横山秀夫「動機」読了

Dohki 金曜は、午後につくばへ打ち合わせ、戻ってからちょっとしたトラブルがあって深夜の帰宅となった。
 そのトラブルもほとんど出合い頭にぶつかられたような…。その場での解決は無理で、後日へ持ち越しかなり不満な状態。
 肉体的にも精神的にもちょっと辛いね。週末は、その余波も多少あって自宅作業となっている。

 そういった状況ではあるが、木曜(19日)の夜に読み終えていた横山秀夫「動機」(文春文庫)だ。これも駅前のBook ○ffで105円で購入。
 もともと単行本は2000年の発行、「陰の季節」に続く著者の第2作品集で、第5回松本清張賞受賞作ときたもんだ。

 で、今回は警察モノは冒頭の表題作「動機」一編のみ、残る3編は、それぞれ出獄した殺人犯、地方新聞の女性記者、裁判官が主人公。
 「動機」は、TBSで上川隆也主演で「二渡」シリーズとしてドラマ化されているが、小説の方は二渡が主人公ではない。まあ、ちらりと名前だけは登場するが…。
 得意の地方の警察が舞台、一括保管した警察手帳30冊が行方不明となる。一括保管を提唱した警務課の企画調査官貝瀬が、その行方を追うのであるが、一括保管は捜査前線からは猛烈な反対を受けていた。
 どう考えても内部の犯行である。いったい犯人の正体とその目的は…。

 出獄した殺人犯が主人公の「逆転の夏」もTBSでドラマ化されている。
 まじめに働く中年男山本は、関係を持った女子高生を殺し服役した過去を持っている。そのことは、職場の社長以外知らないはずなのであるが、ある日彼に殺人依頼の電話をかけてきた男の真の目的は何なのか?彼はその依頼に応えるのか?
 やむにやまれず犯した殺人が、きっかけとなって山本の人生は、思わぬ方向へ導かれていく。

 「ネタ元」は、著者のお得意の事件記者ものであるが、主人公は中堅?女性記者。経営が危うい地方紙で、紆余曲折を経た水島真知子は、自分の立場に不満を、周りの人間に不信を抱きながら記者を続けている。そんなある日、全国紙からに引き抜きが…。
 彼女は、舞い上がってしまうが、そうなって自分と仲間を見つめて見ると違ったものが見えてくるのであった。

 ラストの「密室の人」、これがいい。公判中に居眠りをした上に、寝言で妻の名前まで呼ぶという失態をさらしてしまった裁判官安斎。
 だが、居眠りをしてしまった原因に思い当たらない。常用する胃腸薬と再婚した若く美しい妻の睡眠薬がよく似ていることに気がつくが…。
 本当に妻が、仕組んだことなのか…、それとも同僚たちか…、疑い始めれば、誰もが怪しい。
 これまた、意外な結末が待っているが、とくに本編の結末に待つているカタルシスがたまらない。

 どれも結末の余韻になんとなく軽やかなものを感じて気持ちよい。この時点で、横山スタイルが確立されている。個人的に「陰の季節」より好みである。
 
 現在、ウッドハウスの「比類なきジーヴズ」に取り掛かったところなのだが、この状況では、すんなり読み切れそうにないゾ!
 

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

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    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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