F.アイルズ「殺意」読了

Malice Aforethought ここのところ2冊ほど読みかけて気持ちがのらずそのままにしてしまった作品があるが、集中しないながらも久しぶりに読書ネタが書けることとなった。

 倒叙推理の古典的名作、フランシス・アイルズの「殺意」(創元推理文庫)を2日前に読み終えた。出張やらなんやらでタイミングを逸してしまっていた。これは、今や定番となった駅前の○ook Offで250円で購入したもの。
 前述した通り、気持ちの入らなかった他をうっちゃって読み始めたものの、ちょっとばたばたしたりして集中力を欠いて時間がかかってしまった。

 F.アイルズとは以前読んだ「試行錯誤」(創元推理文庫)のアントニイ・バークリーの別名。謎解きものはバークリー名義で、サスペンスものはアイルズ名義ということになるのだろうか。

 さて、ストーリーは1920年代、イギリスの郊外の街ワイバーンズ・クロスに暮らす中産階級である医師ビクリーが妻を殺害するお話。
 倒叙推理というわけなので、殺人はストーリーの前半部分で起こるので、妻を殺すと書いてもネタばらしにはならない。その後、どのように真相が明らかにされ、ビクリーが追いつめられていくかがポイントとなる。

 冒頭部分のかなりが、郊外の中産階級のちょっとゆるい暮らしぶりと乱れた人間関係を描くことにあてられている。そういう意味では、ちょっと退屈でスピードが上がらなかった。
 ビクリーが妻を殺す前後からなにやら引き込まれていくようになり、そろりそろりと何とはなしにビクリー包囲網が狭められていき、それにあわせた彼の精神的な起伏が描かれていく。
 最後は、彼が予想していた結果とは相反する結果で、こちらも唖然とする。

 古典ということもあって、意外なことが次々とというわけにはいかないが、適度に物語に起伏があって興味を持続させてくれる。こちらの精神的な環境がもう少し良ければ、ぐいぐいと引き込まれていったかも…そういう意味ではタイミングに恵まれなかったかもしれないし、もっと楽しめただろう作品である。

 名作であることに変わりはないと思う。こちらの都合ながらちょっと残念(実に残念続きな10月)。

テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学

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    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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