J.クリストファー「トリポッド」4部作読了

Tripod ここ数日は予想以上に涼しくて体調維持に四苦八苦…なのに、一昨日、昨晩と連続で本を読みながらソファの上で小一時間ほど意識不明に。
 で、二日続けて目覚めが良くない。

 その原因を作ったのが、今回のジョン・クリストファーの「トリポッド 4部作」(ハヤカワ文庫SF)である。駅前のBook ●ffで、1~3までをそれぞれ105円で購入。脳裏にあったかすかな記憶で三部作だと思い込んでいたので、けっこう喜んだのもつかの間…。1巻のあとがきを読んだら、なんと3部作の後に前日譚が書かれて4部作となったとか。
 そこで、仕方が無いのでAmazonのMarket Placeで送料込みの600円弱で購入。昨晩、読了となった。
 本当に久しぶりのSFジュブナイルである。1970年代の後半に学研から「三本足シリーズ」3部作として出て、当時のお子たちにはそこそも読まれた作品だとのことであるが、当然私は、ジュブナイルな年齢ではなく未読である。
 今回は、前日譚をストーリーの時間軸に合わせて並べて4部作として新訳、カバーも西島大介のPopなイラスト装丁での登場である。

 著者、J.クリストファーの本国イギリスでは、BBCによるドラマ化がされているようで、マニアックな人たちのHPがあったりするのも面白い。少年少女期にハートを揺さぶられた人たちの中には、かなり入れ込んでしまった人もいるようだ。

 さて、まずは「トリポッド 1 襲来」。1988年に書かれた前日譚、その時代背景のイギリスからお話ははじまる。
 突然、イギリスの片田舎に現れた三脚の化け物のような機械トリポッドが大暴れ、イギリス軍の攻撃を受けて破壊される。なんとイギリス以外にも現れてひと暴れをするのだが…。マスコミの間では、お間抜けで得体の知れない侵略者として笑い者になる。

 しかし、侵略者は引き下がったわけではなかった。TVの映像電波に洗脳信号を混ぜてじわじわと人類の取り込みを始めたのである。それは、ワイヤー製のキャップをかぶせることでより確実な手段となっていく(この辺なんだか、オ○ムみたいだね)。
 やがて、侵略者に洗脳されたもの(トリッピー)とそうでないもの間に不穏な空気が流れ始める。主人公の少年ローリーは、家族とともにスイスへの逃れの旅に出る。

 2巻以降のタイトルは「トリポッド 2 脱出」「トリポッド 3 潜入」「トリポッド 4 凱歌」。この3巻は元々の3部作で、トリポッドの襲来である1巻から約百年後の世界。

 まずは、「トリポッド 2 脱出」。侵略者との戦いに破れ、彼らの支配が確立された世界は、表面的に14歳以上が戴帽式を経てすべてトリッピーとなっている。さらに発達していた科学は、大きく交代し、産業革命以前の社会と同様の状態。
 しかし、イギリスの片田舎の小さな村に住むウィルは、親友である従兄弟の変貌を目の当たりにし、帽子から逃れることを考えるようになる。そして、あるときであった「自由市民」に諭され、あまり仲の良くなかったもう一人の従兄弟と「自由市民」となるべく南の白い山脈へと逃走の旅に出る。

 そこからは、タイトルが示すようなエピードが展開される。基本的に主人公はウィル、ミスを犯しながらも運に恵まれて少しずつではあるが、成功もおさめ、人間としての成長するとともに、人類の解放へ向けた壮大なお話なのである。

 侵略者の意外な姿や自由市民の秘密都市など、よく練られていて「はは~ん」とか「なるほど」と思わせる。そして少年の成長という、読んでいてとても前向きな気持ちになってくる楽しい作品。お子様にぜひ読んでいただきたい。

 ここのところ、読書ネタがご無沙汰だったのは、これの前に読んでいた作品がちょっとしっくりこなくて、前のめりにならなくて頓挫したのが原因だったのだが、この4部作に切り替えての立て直しとなった。
 本当に読んでいて、純粋に楽しい作品であった。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

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  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
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    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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