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S.S.テイラー「狡猾なる死神よ」+D.M.ディヴァイン「悪魔はすぐそこに」読了

Death 昨日から寝冷えをしたのかおなかの調子がよろしくない、そのうえなんとなくバタバタしていることもあって、タイの旅行ネタで書きたいこともあるのだが…。
 そんななかではあるが、ここのところ読書ネタの手薄感を補うためにもタイ旅行中に読み終えた2作品を。

 まずは、サラ・スチュアート・テイラー「狡猾なる死神よ」(創元推理文庫)。ちょっと評判がよさそうなカバー裏の紹介を読んで新刊で購入。まあ、カバーのデザインもそれっぽく悪くないな…などと思っていたのだが…。
 アメリカの新人女性作家のデビュー作で、同じ女性美術史研究者を主人公にしたシリーズの第1弾。
 大学で美術史を教えるスウィーニーは、友人のトビーから不思議なデザインの墓石の写真を見せられ、その奇妙さに魅かれ興味を持つ。トビーはこの墓石のある芸術家コミュニティのあったビザンティウムという村に、クリスマス休暇を過ごそうとスウィーニーを誘う。
 その墓の主の子孫に連絡をとり、調査の協力をスウィーニーだったが、彼女が訪れる前にその人物が死んでしまう。

 墓石の謎と殺人は、繋がりがあるのか…?当然のごとくこの謎を追うスウィーニーであった。このビザンティウムという村が一筋縄ではいかない複雑なコミュニティであることが次々と明らかになっていく。
 墓の主を殺したのは誰なのか…、その子孫を殺したのは…、さらにおこる盗難事件。謎が謎をよんで、ついにはスウィーニーが狙われることに…。

 ラファエル前派やアーサー王伝説といったロマンチックなペダントリーが随所に配され、事件の展開も飽きさせない程度に展開していくのであるが、どうも合わない。どうもハーレクイン・ロマンス的な(読んだことはないのであるが)展開が途中から鼻を突き始めて、その後はもういけません。
 せっかく配されたペダントリーがあまり意味を思っているようには思えないしねぇ。謎解きも期待したほどでもなかったし、雰囲気が上滑りしている。なによりも主人公に魅力を感じないので、気持ちが入らなかった。読んでてすぐ眠くなってしまうし…。
 一言で言ってしまえば「嫌い」な味わい、残念ながら次はないな。

Devils もう一冊は、傑作との評価も高いドミニク・マクドナルド・ディヴァインの「悪魔はすぐそこに」(創元推理文庫)。これはタイ旅行に備えて駅前の●ook Offで250円で購入したもの。

 ディヴァインの作品は、いまはなき社会思想社の現代教養文庫ミステリ・ボックスから4冊ほど出ていたらしい。彼自身は大学の職員で職員時代に大学教員対象の小説コンテストの出した「兄の殺人者」がクリスティなどから評価されて(研究者出はなかったため受賞は逃したとのこと)デビューした。

 この作品も1960年代の大学が舞台。大学の数学の講師ピーターは父の友人だった講師ハクストンから横領の疑惑をはらすのを手伝って欲しいと頼まれる。しかし、ハクストンは、委員会から追いつめられ、自宅でガス中毒で死んでしまう。
 ピーターの父親も8年前、大学内のスキャンダルに巻き込まれ、精神に異常を来し、失意のまま死んでいったのだった。

 何事にも消極的なピーターとその婚約者ルシール、そして共通の友人カレン、法学部長ラウドンが真相の究明の乗り出す。とにかく怪しいヤツがいっぱいなのだ。
 あまり書くとネタばらしになりかねないが、ルシールを含めピーターの父のスキャンダルにかかわった人々がからんで、どいつもこいつもくさい。
 
 そのうえ、主人公と思われるピーターもあんまり押し出しの強いキャラではなく、誰が中心になっているのかあいまいになってくる。展開ごとに役回りが変わって…。とかくと、散漫で中途半端な作品化と思われるが、なんとこれが彼の思う壷なのであって、ちゃんと最後まで読ませてくれる。
 法の前の平等を絵に描いたようなラウドンが、いい感じで探偵役になっているような感じ。ルシールはルシールで意外な背景を持つ微妙なキャラ。

 とにかく、焦点を絞らせない伏線の埋め込みが巧妙で、まんまとしてやられる…ということになる。かなり完成度の高い本格派である。
 複雑な話で読みにくいのでは…と思うかも知れないが、これがそんなことは全くない。60年代のイギリスの大学の雰囲気なども楽しんで読めるところなど、傑作と呼ばれるゆえんなんだろう。
 こちらはお勧め。

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

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  • Author:KsbcKSBC
  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
    日々是、思いのままにならぬことばかり。そんなオヤヂの日々。

    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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