J.グッドウィン「イスタンブールの群狼」読了

The Janissary Tree ここのところ書き出しはいつも寒い天気と落ち着かない仕事のことということになってしまっている。
 まあ、事実寒いうえに寝る間もないほど忙しいと、言うほどではないが、気忙しく落ち着かない日々である。この3連休も書いた通り2日間は自宅で仕事。
 フィリピン人の友人との夕食と近所のスーパーへの買い物以外、外に出ることもない日々。まあ、雪が降ったりで好都合なのではあるが…。

 で、読書の方もさっぱり進まない。当然、集中力も落ちてせっかく読んでいるのに、ちゃんと頭に入っていないようで、何回か同じページを読んでいるような始末である。
 このジェイソン・グッドウィンの「イスタンブールの群狼」(ハヤカワ文庫)もそのあおりを受けて、一昨日読み終えたのであるが、とりかかってからずいぶんと時間がかかってしまった。
 作者、J.グッドウィンはトルコ関連の研究をしている人物で、ミステリとしてはこれが処女作ということであるが、欧米では高い評価を受けて、2006年のエドガー賞を受賞したらしい。
 この作品の主人公の宦官ヤシムを主人公にしたシリーズになるらしい。

 舞台はオスマン帝国末期のイスタンブール。横暴で悪名高い特別な軍隊イェニチェリも壊滅し、西欧にならい急速に近代化を進めるトルコ軍の近衛軍の4人の将校が次々と死体で発見される。この事件の解決を司令官は、宦官ヤシムに委ねる。
 ヤシムは同時に、後宮内で起こった宝石盗難事件の調査を后母から依頼されるが…。

 やがて、事件の背景にイェニチェリの残党の影がちらつき始める。当然、捜査は紆余曲折一筋縄では進まない。ヤシムや友人たちまで命を狙われたり、美人のロシア大使夫人と年頃になったり…。
 最終的に事件は意外な結末をむかえることになるのであるが、なんとなく中途半端。

 それもこれも、訳者の和爾桃子(ディー判事シリーズの訳者でもある)氏のあとがきにもある通り、ヤシムともう一人、いやもう一つの主人公イスタンブールを描き出すための展開のようである。
 どの章も数ページ程度で次々と場面が展開して、お話の深みにはまっていかないと感じてしまった。
 そのうえ本作にはタイミングも悪く、集中力も欠いていたこともあって、いっそうその印象が強かったようである。

 まあ、今回は時代背景とイスタンブールをクローズアップして、次作以降への長~いプロローグと考えればいいような気もする。
 いままであまり知らなかったオスマントルコ帝国とイスタンブールについてはなかなか興味深いものがあった。
 今回は、何やら物足りなさも感じたが、次作以降の展開におおいに期待したい。そんなところである。

テーマ:今日の本。 - ジャンル:本・雑誌

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    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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