M.コナリー「終結者たち(上・下)」読了

closers 先週の火曜の夜にマイクル・コナリーのボッシュ・シリーズ最新刊「終結者たち()」」(講談社文庫)を読み終えていたのだが、なんやかやでひまが無くて…。やっと書く時間が出来た。
 前作が去年の9月だから1年ぶりの再会ということになる。いやいや、待ちに待った待望のボッシュ第11作のはずだったのだが…。

 ロス警察を退職後、2作分は私立探偵として事件とかかわってきたボッシュだったが、ついにロス警察に復職。新しく創設された未解決事件の捜査班にキズミン・ライダーとともに配属される。
 そこで、なにかに導かれるように17年前の女子高生殺人事件の再捜査へと突入していく。
 殺人に使われた銃に残こったDNAから被害者と同年代の男が浮かんでくる。その人物の行方と被害者の両親はじめ捜査にあたった刑事など、当時の関係者にあたるボッシュたち。
 しかし、思うようにことは運ばない。どうやらロス市警を巻き込んだ人種的な部分の微妙な問題が背景に見え隠れし始める。

 マスコミを使って、ホシを引きずる出そうとするのだが…、話は思わぬ方向へ展開してしまう。そのうえ、疫病神ミスター・クリーンことアービング副本部長がちょっかいを出してくる。さあ、どうなるんだ…。

 上巻では、事件の解決へ向かう展開はほとんどない、なにやら「おかえりボッシュ」状態でややいらつく。下巻に入ると一気にお話は展開していく。当然のことながら事件は解決するのであるが、当然のようにもう一つのオチがまっている。もうこの二段オチはコナリーのスタイルと見て間違いない。
 しかし、そのオチは心にのしかかるような重苦しいものである。まあ、最後にそれを和らげる軽いカタルシスを用意するあたりは、心憎い。

 ただ、訳者のあとがきには、ここから先は読まずに本編を読め、そして一番のお気に入り作だ、と書かれているのであるが、個人的には「おかえりボッシュ」部分が、ややだるい印象があるのと、これまでよりも事件の解決までの深さが足りないような気がしている。もっと、どろどろしたふか~い闇が欲しい。
 もちろん、十分読み応えはあるし、面白くない訳ではないのであるが、とにかく思ったよりもすっきり話が進んでしまったのかな…。

 今後もふか~い闇を背景にした未解決事件の捜査にあたることになるし、警察に戻ることで操作に関する制約をとっぱらって、ぐいぐい突き進むボッシュを描いてくれることを期待したい。

 現在、S.ブース「死と踊る乙女」に進行中。

テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学

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  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
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    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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