T.ハリス「ハンニバル・ライジング」<上><下>読了

Hnnibal Rising やっぱり、面白い作品は読み終えるのに時間がかからない。相変わらずのバタバタ具合であるが、そんな中でもさすがはT. ハリスである。
 「ハンニバル・ライジング」<><>(新潮社文庫)は、サイコ・ミステリーの大いなる流れをつくったと言われる「ハンニバルシリーズ」の最新作。

 これは、ヤフー・オークションで約700円前後で入手?だったような…。新刊で買おうかとも思ったのだが、人気作家でGWに映画公開(映画館で映画をみないのではやったかどうかは不明)もあって、時間を置かずに古書が出回りそうだったので、少し我慢した次第。
 新刊の価格からしてみると安いと言う訳でもないが、まあ、時期を考えればこんなもんかな。

 このT.ハリスの作品は、すべて映画化されているという強者なのであるが、ハンニバルもの以外には、「ブラック・サンデー」一作のみの全4作という寡作ぶり。
 まあ、映画がどうだったのかは置いといて、小説である。

 今回は、ハンニバルものの最新作ではあるが、ストーリーは、「ハンニバル」の続編ではない。タイトルが示す通り、「怪物ハンニバル」が地上に現れる過程を描いたもの。
 第2次大戦前、リトアニアの貴族の子として生を受けた天才少年ハンニバルは、やがて戦争という恐ろしい悪魔に飲み込まれ、翻弄されていく。
 その戦争の最中、かけがえのない家族を極限状態の中で奪われる。

 その衝撃から言葉を発することの出来なくなった彼を共産主義下の孤児院から救い出したのはフランスに住む叔父夫婦であった。この叔父夫婦は、かなりデカダンな生活を送り、日本人である叔母「紫夫人」にハンニバルはあこがれを抱くようになっていく。

 成長したハンニバルは、彼の家族を奪った者への復讐を開始するのであるが、叔母に近寄る刑事がいたり(邪魔なようで邪魔になっていなかったりするのだが)、そのことを叔母が認めなてくれなかったりと紆余曲折はあるのだが、ぐいぐい冥府魔道を突き進むのであった。

 かくして、彼は本懐を遂げるのであったが…。

 まったく、訳者のあとがきにもあるように日本人に向けてかかれたかのようなジャポネスクが配置され(まあ、なんか中途半端に中国と混じったりというようなことはない、かなり研究してしるようである)、なんともくすぐったいような部分もある。

 サイコなことには変わりないのだが、これまのハンニバルもののミステリー色よりも、冒険小説の色合いが強い。ただ、主人公が強烈天才サイコパスということとなのだ。
 「ハンニバル」誕生の経緯と冒険復讐譚の配合がバランスよく、さらには欧米人にとって神秘とも言えるジャポニスムまでふりかけてでき上がっている。

 長さも長過ぎず、短過ぎずいいあんばい。かなり、楽しめた。
 忙しいこともあり、次は未定。

 しかし、梅雨とは思えぬさわやかな土曜日、なのに自宅にて作業の週末である。

テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学

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  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
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    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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