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J.ケッチャム「隣の家の少女」読了

The Girl in Next Door さすがケッチャム!!この一言につきる。
 昨日は仕事の関係で早起きをしてかなり眠かったにもかかわらず、「隣の家の少女」(扶桑者ミステリ)3分の1ほど読み進んでいたのを一気に読み終えてしまった。
 
 本作は、近所の古書店にでずっと売れ残っていたものを380円で購入していたもの。なかなか読むきっかけをつかめないまま放置状態となっていたもの。
 先日、「襲撃者の夜」を読み終えて、ケッチャムの重力にぐっと引き寄せられてしまったと言う訳である。
 確かに、最高傑作といわれるだけのことはある、眠気も吹っ飛ぶ「痛さ」といえる。
 1958年の夏、隣の家に引き取られてきた美しい少女メグにほのかに気持ちを寄せるデイヴィド。彼女との美しい出会いは、恐ろしい結末へと突き進んでいくのである。

 隣の家は、母親と3人のどうしようもない兄弟が暮らす貧しい家庭、交通事故で両親を失ったメグとスーザンの姉妹が、そこに引き取られてきたのである。
 当初は、何事もなく日々を過ごすのであるが、隣家の母親ルースが姉妹に対して辛くあたるようになっていく。そしてそれは日に日に異常さを増していく。
 理由もわからぬまま、姉妹は激しいせっかんを受ける、障害を持つ妹を人質されたメグは、逃げることもできず、その状態を受け入れざるを得ないのだ。

 その光景を目の当たりにしたデイヴィッドには、彼女たちを救う方法も見出せないばかりか、そこに異常な興味を引かれてしまうのであった。
 やがて隣家のせっかんは、地下室での拷問へとエスカレートしていくのであった…。

 確かに最高傑作の呼び声の高い作品である。文章のテンポ、さらには次に起こることへの興味を常に維持する展開と構成は凄まじい。その上、その遠慮することのない痛いほど残酷な描写は、他に類を見ない。
 さらに、主人公の心理も鋭く描かれている。にもかかわらず、読み終えた後に一種のカタルシスが待っていた。

 「えぐい」「汚い」「痛い」の三重苦で「こりゃ、たまらん」という人もいるだろう、しかし、敢えていおう「ケッチャムを読め!」と。
 文学的(?)な側面から見ると最高傑作といえるのかも知れないが、個人的には、やはり「老人と犬」がフェイヴァリットであることに変りはないのであった(やっぱり、最初に出逢った作品であったことが大きいのかも知れない)。

 次回は、遅ればせながらT.ハリス「ハンニバル・ライジング」だ。
 

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

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    読んだ本、手に入れたCDなんかについてだらだらと…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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