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C.プリースト「逆転世界」読了

 ここのところは、忙しいことにかまけて読書が進んでいなかったのだが、昨日、ずいぶん久しぶりに一冊読み終えた。
 実のところ、いくつか手を付けてみたのだが、何となく落ち着かず、しっくりと来なかった。その中で、最後にひっかかってきたのが、話題の映画「プレステージ」の原作者、クリストファー・プリーストの「逆転世界」(創元推理文庫SF)であった。
Inverted World  
 元々、本作はサンリオSF文庫で出ていたもので、微かな記憶では読んでいなかったが、本自体は買っていたような気がしている。で、サンリオSF文庫が消滅した後、1996年に東京創元社から出し直されたもの、さらに現在は、これも出版社在庫切れ状態。
 ヤフー・オークションで500円(?)程でゲット。
 映画があたればこの辺の入手困難な作品も陽の目を見る可能性もあるかも。
 舞台は、どうやら未来、名前も不明の惑星。この惑星の表面を全長1500フィート、7層の巨大都市「地球市」が、一年に36.5マイルづつ、軌道を敷きながら移動をしている。
 「地球市」では、時間の経過は、その移動した距離で表記される、例えば「650マイルの歳」というように…。
 都市は、いくつかの「ギルド」と呼ばれる組織を中心に運営されていて、都市の外へ出られるのは、ギルド員に限られたかなり閉鎖的な社会。
 
 その「地球市」に生まれ成人を迎え、未来測量ギルド(この未来測量とは、都市が移動していく先の土地の測量ということになる)の見習いとなったヘルワードが主人公である。彼が見習いとして様々な試練を積んで成長するとともに、「地球市」を取り巻く環境が、歪んでいることに気付く。
 妻との離婚、都市の外の集落からの攻撃などなど、紆余曲折があるのだが、実際のところ本作の真の主人公は「地球市」と「惑星」。
 
 この「地球市」の置かれた環境が、なぜそこの出現したのか? この「地球市」を支配する物理法則は、いったい何なのか?
 これこそセンス・オブ・ワンダーだ。
 最後は、ちょっとあっけない感じがしたのだが、謎を少しでもはやく知りたいと、ぐいぐいとページをめくらせてくれた。
 さすが奇想の人、プリースト。

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

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  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
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    読んだ本、手に入れたCDなんかについてだらだらと…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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