H.マンケル「目くらましの道」上・下読了

Villospar 気温やら湿度、気圧の変化が激しいためか、腰の具合が、すっきりしない日々が続いている。かといって、動けないわけでもなく、無理をしたくないという気持ちが先立って良くない傾向なのだが、ルーズな休みを過ごしてしまった。

 で、そんな日々ではあるが、ヘニング・マンケルのヴァランダー・シリーズの5作目「目くらましの道()」(創元推理文庫)を読み終えた。出たのは、今年の頭だったが。上下巻ということもあって中古ねらいで、見送っていたのであるが、先日オークションで上下で1200円程でゲットする事ができた。
 比較的新しいものを半額で入手できたのは、まずまず満足。
 このスウェーデン警察小説の傑作シリーズは、だんだん長くなってきていたのだが(前作は前前作よりも少し短かったが…)、本作は遂に上下2巻になった。個人的には、この程度の長さであれば、できれば1巻で出して欲しい所であるが…。

 今回は、事件のはじまりは、菜の花畑に少女というあたかもめるひぇんのような幕開けである。通報をうけ、休暇中のヴァランダー刑事が、菜の花畑へ着くと、少女は用意したガソリンをかぶって壮絶な死を遂げる。
 彼女が何もので、どうして自ら命を絶ったのか、それを知る者は誰もいない。

 その後、隠居中の元法務大臣が背骨を断たれたうえに、頭皮がはがれ、持ち去られた姿で発見される。表面的には世捨て人のような生活を送っていたこの老人が、このような殺されたかをした理由も、犯人も見えてこない。
 人手不足で、寝る間もなく捜査に当たるイースタ署の刑事たちであったが、引き続き、同じ犯人と思われる殺人が起こる。

 用意周到に計画された連続猟奇殺人、接点のみつからない犠牲者たち。さらに、ヴァランダーの心を震わせる登場する少女たちの生き様。
 そして、恋人バイパ、娘リンダ、そして刑事仲間たち、その他ちょい役の人物たちまで、よく書き込まれていて魅力的である。

 ひとつづつ、ひとつづつ手がかりを見つけ、その間を結びながら犯人の姿を浮かび上がらせていく。ヴァランダーが自分の部屋のカギを無くしてしまうあたりから、ぐぐ~っとスリルが出てきて、ページをどんどんめくらせる。
 映画化こそされていないが、本国ではTVドラマ化もされているらしい…そのためか、アメリカのサスペンスものにあるような、やや映像化を意識したような展開に感じなくもないが、決して薄っぺらなものにはなっていない。

 途中から犯人が誰なのかは、判るようになっているのだが、そのことでストーリーが失速することはなく、かえって結末へ向かっていくスピードはアップしていく。うまい!
 ついでながら本国の出版は1995年で、1994年のW杯のスウェーデンの試合が出てくるのも悪くない。個人的には次も必ず読む作品だ。
 本作が、シリーズ最高だとは思わないが、日本の犯罪の状況を見てもう~んと唸らせるものがある。もちろん、前4作を読んでなくても楽しめる。もちろん前4作を読んで損はしないと思うが…。

テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学

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    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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