A.ファウアー「数学的にありえない」(上・下)読了

Improbable 昨日、アダム・ファウアー「数学的にありえない」()(文藝春秋社)を読み終えた。

 オークションで半額を目指したのであるが、残念ながらやや半額を上回る金額での入手となった。
 ただ、初版(正直あまり気にしてないのだが)、帯も完璧で状態も新品同様(これも内容には関係ないな)だった。やっぱり高い本なので、こういう部分も一応書いておく事に…。定価の価値があるどうかについては、あるような気がする(私はそのことを判定する立場ではないが)…
 さて、中身は文句なしに面白い、楽しめた。「このミス」でも5位だったかな…?の高評価、そのうえ「ダ・ヴィンチ・コード」の次に読む本はこれだ!!とのことだった。
 「ダ・ヴィンチ・コード」は、それとして、タイトルや、確率や統計学、さらには量子論なんかの理論物理学やら登場するので、個人的にそれをどのように料理するのか、興味津々なところでもあった。

 確かに、その辺の事柄が前半はかなり幅を利かせるので、そこらあたりが苦手な人は、一瞬ひきそうになるかも…、でもうまくかみ砕いて解りやすく書かれている。特に量子論については、物理というよりも哲学に近い感覚で捉えているような気がする。
 もちろん、解らないより解ったほうがより面白いような気もするが、解らないからといってストーリーが理解できなくなるわけではない。そんなもんなんだぐらいの感覚でいいかもしれない(3年ほど前、「量子論」などに関する仕事があったので、その辺は専門家に説明してもらっているので、多少は理解しているつもり)。

 で、主人公は元(?)数学の研究者で、現在は確率論を駆使するギャンブラー、ケイン。彼が大きなギャンブルにでて失敗、借金をつくってしまう。実は、彼には癲癇の発作とそれに連なるとんでもない能力があるのだが…。
 一方で、情報の横流しをしているやり手の美人(お決まりということで?)CIAエージェントが、北朝鮮とのやりとりで失敗、これまた窮地に。
 さらに、とんでもないある研究で(ひとことでいうと)一山当てようとする大学教授とその研究を盗みにかかる政府機関の親玉(こいつもやややばい立場)、そのうえ、主人公の双子の兄、ギャンブル・クラブの経営者とその用心棒などなど、多彩(?)な顔ぶれが絡んで、丁々発止の展開が、休みなく続く。

 主人公ケインの能力が、何なのかを書いてしまうと上巻のネタバラシになるので、止めておくが、彼の能力を持ってすれば、最終的には、すべてが落ち着くところへ落ち着くだろうし、簡単に事はかたづきそうなものののだが…。

 これが意外や意外、神がサイコロ遊びをするように、あちらこちらへと振り回される。でもあくまでも軌道の敷かれたとんでもないジェット・コースターななのだ!!(う~ん、ネタバレになりそうだ)。
 主人公がその能力があることで、次は?次は?と気になるところなど、よくできたお話だ。
 実際は、そんなこと「ありえない」と思うが、SF的な要素と考えれば十分「ありえる」展開かな…。

 個人的な好みでは、終盤のあのアクションはちょっとやり過ぎかなとも思うのだが、息をもつかせぬノンストップ・アクションということ。確かに、下巻に入ってからが「ダ・ヴィンチ・コード」の次に…的なといえばそうなのかも。
 欲を言えば、もう少しじりじりとする神経戦的な展開を維持してもらって、最後の最後でどかん、がよかったなぁ。
 登場人物もそれなりにキャラクターがあって、面白さは文句なし。

 とにかくページをめくらせる一作である。

テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学

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    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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