C.L.サフォン「風の影」(上・下)読了

La Sombra Del Viento スケジュールのズレとともに体調に変調を来して、一昨日と一昨昨日は本当に辛かった。今日はやや持ち直してきているようだ。
 その不調のまっただ中の日曜に、「このミス」をはじめとする様々な方面で、評判のカルロス・ルイス・サフォン「風の影」()(集英社文庫)を読み終えた。

 しんどい中ながらも、充実の内容で手応えも十分である。さすが世界37カ国で出版されベストセラーになった作品である。本読み、本好きのために書かれたようなそんなお話である。
 日頃、集英社文庫を手にすることなど2年に1回ほどか…?というところだが、これは実にいい作品の権利を手に入れたな、という感じ…。これからは少し、気にすることにしよう。
 

 舞台は1945年のバルセロナ、少年ダニエル・センペーレは、書店を営む父に連れられていった「忘れられた本の墓場」で運命の本、フリアン・カラックス「風の影」に出逢う。ダニエルは、この「風の影」を守らなければならないのだ。

 「風の影」を読み魅せられるダニエル。そしてフリアン・カラックスの外の作品にも興味を持つようになるが…。
 内戦も終り、フランコ政権の下、切ない恋や友情、周りの人々とのふれあいの中で成長していくダニエル。

 やがて、ダニエル進む先には、なぜ「風の影」は「忘れられた本の墓場」ヘ来ることになったのか?そして、フェリアンの人生とは、いかなるものだったのか?という謎が待ち受けることになる。

 元スパイ?ミケル、そして優しい父親など、登場する脇役たちも皆、かなり魅力的である。舞台の1900年代前半から中盤のバルセロナというのも効果的なのかもしれない。
 読み進める毎にぐいぐいと「風の影」の世界に引き込まれていく。

 上巻の終盤には、若き日のフリアンをとりまく謎について何となく、薄々と見えては来るのだが、これがどうフィナーレへ向かうのか、まったく予測がつかないまま、下巻へ。

 前半戦のスタティックな展開から一転、後半は謎が謎を呼び、謎が謎を解くといった感の展開で、アクションもあったりする。「本」というイメージからは、ちょっと違和感もあった「冒険」ということばが、形になっていく。

 ロマンス、冒険、ミステリ、ファンタジー、文学などなど、色んなキーワードが当てはまる不思議な小説である。
 ちょっと思ったのだが、この作品の本好きにとっての位置づけは、映画好きに対する「ニュー・シネマ・パラダイス」ようなものなんじゃなかろうか…。

 各所での高評価に違わぬ好作品である。どうやら、「風の影」を含む「忘れられた本の墓場」ものは三部作となるらしい。
 次が本当に楽しみである。

テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学

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  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
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    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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