A.バークリー「試行錯誤」読了

Trial and Error 先週には、読み終えていたのだが、熟成させていた(なわけないが…)、アントニイ・.バークリー「試行錯誤」(創元推理文庫)。 以前は、「トライアル・アンド・エラー」という邦題だったのだが、最近このタイトルに変わったようだ。もちろん古書で購入。オリジナルは1937年に刊行のミステリの古典。
 著者は、この名前のほかフランシス・アイルズ、マンモス・プラッツなどのペンネームをもっている、今世紀前半のミステリの名手。この人の作品は、創元推理文庫で出ている数冊以外は、どの本も高価なので敬遠していた。

 文筆家トッドハンター氏は、医者から動脈瘤で余命数ヶ月と宣告され、これまでヘでも無かった自分の人生を有意義にするために、世間に良からぬ人物を殺して死のうと決意する。
 そこで、あまり親しくはなかった小説家の愛人?である女優をターゲットに選ぶ。かくして、女優は殺されるのであるが…。

 意外や意外、日本観光から帰ってきたトッドハンター氏は大慌て、死ぬはずだった自分は死なないし、別の人物が容疑者として逮捕され、今にも死刑になりそうに…。
 さあ、どうするよトッドハンターさん。

 最高傑作とよばれる『毒入りチョコレート事件』も登場する犯罪研究家チタウィック氏も登場して、新たにこの事件に関する前代未聞の民事裁判を起こし、真相を明らかにしようとするのだが…。

 ストーリーの前半は、意外に地味でちょっと退屈な感じがあるのだが、中盤以降どんな風なことになるのだろうと興味津々になってくる。
 果たして、トッドハンター氏の運命やいかに、無罪か?有罪か?
 さすが、英国では昔から人気・実力ともに評価の高い作家だと思う。今後も安価で見つけたら読んでみたいと思っている。

 創元推理文庫での出版が随分と昔なので、版下の状態が良くなくて、字が小さく、印刷もやや薄く、読みづらいのが残念。
 それから気になったのは、新邦題の「試行錯誤」、原題の"Trial and Error"のTrialが裁判でErrorが誤認逮捕、それに英語での試行錯誤であるtrial and errorをかけたものではなかろうか?(勝手な解釈)。
 だから日本語の「試行錯誤」では、原題のもつ狙いを表現できていないような気がする。
 あえて日本語にするなら「司法錯誤」…か?本気にしないでね。

テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

Profile

  • Author:KsbcKSBC
  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
    日々是、思いのままにならぬことばかり。そんなオヤヂの日々。

    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
Calendar
09 | 2017/10 | 11
sun mon tue wed thu fri sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
Twitter
 
Categories
Tree-Arcive
Links
Recent Comments
Search inside