隆慶一郎「花と火の帝」読了

The Emperor of Flower and Fire 昨晩、隆慶一郎「花と火の帝(上・下)」(日本経済新聞社)を読み終えた。
 先週、水曜日に駅前のブック・オフの100円本コーナーで横山秀夫「半落ち」とともに購入していたもの。
 作者は、平成元年、日経新聞に連載中に亡くなっていて、この作品が絶筆、当然のことながら未完である。
 隆慶一郎は、脚本家として1950年代後半から活躍していたらしいのだが、そのことは良く知らない。小説家としては、1984年の「吉原御免状」がデビュー作とのことである。私も出会いはこの作品であったが、理屈抜きに面白く、楽しめたこともあって、その後数作を続けて読んだ。
 史実を正面から描いた「歴史小説」は、絶対に読まない人間なのだが、史実を裏側から見たものや剣豪が暴れまくるもの、さらには呪術や忍び、秘密の財宝などが次々と登場するいわゆる「伝奇小説」は大好物なのである。
 
 この「花と火の帝」も表面的な史実は踏まえながら、江戸幕府誕生前後の徳川と朝廷(後水尾天皇)の暗闘を描いている。
 そこには、猪瀬直樹の「天皇の影法師」にも登場する八瀬童子や猿飛佐助、霧隠才蔵と徳川家康・秀忠、柳生などなど、様々な人物、組織が絡んで、表も裏もドロドロの争いを繰り広げるのである。
 
 書かれたところまでは、実質的な主人公は八瀬童子の岩介、コイツが凄まじいほどのスーパーマンなのである。なんでもできてしまうと普通は、「なんじゃコイツ」となって面白くなくなるのだが、これが度を超して凄いので面白くなってしまうのだ。あきれる前に次はどうスンじゃ?!となるのだ。
 
 結局のところ史実は変えられないので、表面的には徳川が朝廷を圧倒するように見えるのだが、実は…というお話。
 やっとこさ、下巻の終盤でタイトルの「花と火」がそういうことなのか…と分かってきたところで無念にも絶筆となるのだ。
 ここから、本格的な「花と火」に突入をしていくと考えると壮大な物語になったのであろうが、それが残念だ。
 
 次は、映画にもなった横山秀夫「半落ち」で…。

テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学

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