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A.インドリダソン『湖の男』(東京創元社)読了

 ここのところ年度がかわってひと段落している…というか、何も動いていないという状態。
 ここぞとばかりに溜まっている積読本に取り組んでいる、とはいうものの既に読み終えている7冊分をほっぽらかしてなのだが…。

 で、アーナルデュル・インドリダソン『湖の男』(東京創元社)である。
 アイスランド警察刑事エーレンデュルシリーズの日本第4弾、前3作に続いて非常に重い、読後にずしりとくるうえにアイスランドの空のようその重い雲が晴れることはない。

 干上がった湖の底から現れた白骨、頭蓋骨には穴が空き、それはソ連製の盗聴器が結び付けられていた。
 その盗聴器から冷戦時代のスパイがらみの殺人か…と容易に想像がつくのだが、そう簡単には終わっるわけはない。
エーレンデュルたちの地道な捜査で少しづつ少しづつ「湖の男」の姿が見えてくる。その間に間に「湖の男」に結びつく 鉄のカーテンが引かれて間もない東ドイツのライプチヒでの学生生活が、描かれる。
 共産主義の光と影が「湖の男」にまつわる悲しい人生を生み出していた。

 少しづつ明かされる真実に読む側の気持ちははやるがのだが、その速度が上がることはない。根気強く進められるエーレンデュルたちの捜査に投げそうになる人もいつかもしれないが、それは毎度のこと。
 やがて、積み重ねられた先に真実が姿をあらわすのだ。さらに、知らなかった冷戦時代のアイスランドという国についても少しだけ分かる。

 今回も全3作と同様、読み応え十分だが、ただいわゆる読後のカタルシスはない。

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  • Author:KsbcKSBC
  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
    日々是、思いのままにならぬことばかり。そんなオヤヂの日々。

    読んだ本、手に入れたCDなんかについてだらだらと…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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