結城昌治『暗い落日』(講談社文庫)読了

 前の『細い赤い糸』に続き昭和ミステリー、結城昌治『暗い落日』(講談社文庫)読了。

 初出は1965年で講談社文庫は1991年に出た、この時期のものは現在本当にお手頃でゲットできる。そんな事情あって、しばらくこの方面へ進む予定。

 日本ハードボイルドの嚆矢の一つと言われる私立探偵真木シリーズの第一作。
 元警察官の真木は、田園調布の実業家磯村から行方不明の孫娘乃里子を探す依頼を受ける。
 乃里子は、元チンピラの恋人吉井がいたが、彼も行方がわからなくなっていた。

 真木が動き始めると、市川とつながるバーの女、そして市川の父親が殺される。その背後に乃里子と思われる女性が現れては消える。
 やがて、磯村家の背後に横たわる暗い闇が浮かび上がってくる。

 舞台となった高度成長期は、高揚感があったのかと想像していたが、本作にはそのイメージは感じられない。
 タイトルの暗い落日が、読むものの心にも染みる。

 金持ちの娘の失踪に端を発する物語は、ロス・マクドナルドの『ウィチャリー家の女』の日本版と言われていることは知られているらしい。
 著者は、そのトリックに不満をもって、本作を書いたとのことであるが、残念ながらそれを読んでいない。

 他の真木ものを読んでないため何とも言えないが、主人公のキャラクターの孤高感は、若干うすい。
 できれば早めに後の作品も読みたい。このあときっとボイルが進むことを期待している。

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Sugataさん

ありがとうございます。
もっと古いいわゆる探偵小説の作家たちは、ぼちぼち読んでいましたが
このあたりの年代は、手が回ってませんでした。
しかし、今が買い時…という感じなんでしょうか、かなりお買い得なので
驀進してます(笑)。
Sugataさんのブログを参考にさせていただき、助かってます。

ここしばらくは、これで行きます。

No title

結城昌治もこのところ再評価が進んでプチブレイクしそうな感じですね。傑作選も出ましたし、私もそろそろ攻めてみようかなと思っています。
ほんと、私も昭和の作家ばっかり(苦笑)
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  • Author:KsbcKSBC
  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
    日々是、思いのままにならぬことばかり。そんなオヤヂの日々。

    読んだ本、手に入れたCDなんかについてだらだらと…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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