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笹沢左保『死人狩り』(平和新書)読了

 昨晩、笹沢左保『死人狩り』(平和新書)を読み終える。
 同世代の人は、このタイトルには多少の記憶があるのではないだろうか、そうでなくても柳ジョージ&レイニーウッドの「雨に泣いている Weeping In the Rain」が、ショーケン主演の同名ドラマの主題歌としてヒットしたことは記憶にあるだろう。
 中学〜大学2年までテレビ見ない族の当方は、残念ながらそのドラマを見ていないのであった。出版当時は、話題策だったのかも、高松英郎主演で『乗っていたのは二十七人』というタイトルでドラマ化されているようだ。

 27人を載せ西伊豆を走るバス、そのバスが事故を起こし伊豆の海に転落、乗っていた乗員乗客全員が死亡する。このバス事故は、フロントガラスに銃弾を打ち込まれたことが原因の殺人事件と判明する。
 誰を標的に26人もの無関係な乗客たちを巻き添えにしなければならなかったのか、恐るべき大量殺人の真相はどこにあるのか?
 事件を追う静岡県警の浦上刑事の妻と二人の子供もこのバスに乗り死亡していた。悲しみと怒りを胸に事件の真相を明らかにするため27人の犠牲者の捜査”死人狩り”に取りかかるのであった。

 なんと絶妙なタイトル、そして設定。
 浦上の捜査は、いくつもの空振りを繰り返し、一筋縄ではいかない犠牲者それぞれの事情をあぶり出していく。このそれぞれの事情が事件の真相と結びつくわけではないのに、グイグイとページを捲らせてくれるのだ。

 昭和40年当時の時代もあり、今どきピンと来ない部分もなくもないが、当時としては27人が殺されるという大量殺人は異色のミステリー。
 設定・展開とも文句なし、満足の一冊。
 どういうわけか、昭和ミステリーに対しては読書エンジンが快調に転わってくれているようだ。

笹沢左保『天を突く石像』(旺文社文庫)読了

 ここのところは雨続きの毎日、折角の連休ながら出かける気にもなれずで、近所への買い物程度の外出。
 この天候不順で、他のものもそれなりに読了しているのであるが、ちょっと残念だったこともあり、一昨日読み終えた笹沢左保『天を突く石像』(旺文社文庫)を…。

 日本がまさに高度成長期に突入した1964年の作品、建設会社に勤める大場の同僚、青山が妻と子供を捨てて資源開拓公団総裁の娘・原理恵子と結婚すると言い出した。
 青山、大場、青山の義妹、冬子の3人で原の邸宅を訪れるが、原総裁、理恵子とも青山のことは知らないという、青山は精神に異常なのか…。
 そしてその夜、青山は原邸の庭で総裁秘書を絞殺し、自殺したという。

 果たして青山の精神以上は真実なのか…疑念を抱いた大場と冬子は、その真相を探り出そうとする。
 東京、伊豆、そして秩父の山中へ、大場たちの捜査?は進み、事件の裏に隠されていた資源開拓公団のダム建設に関わる不正が見えてくる。

 そして、原総裁が現地秩父のダムに視察に、そしてその場で真相が明らかに…というあたかも、サスペンスドラマのようなフィナーレを迎えるのであった。

 実はこの旺文社文庫版は、カバーの裏のあらすじがまずく(このカバーイラストのセンスも昔とはいえ大いに?)、ネタばらしになっているため青山の異常を偽装と知りつつもどうなるんだという興味先行で、3分の1くらいまではグイグイと読み進められる。
 しかし、そこから先は事件の背景がばれているので、一気に気持ちが減速してしまう。

 高度成長期の公共事業と建設業界の闇みたいなところを描こうとしたんだろうけど、カバーのせいで読後感は、残念な感じとなってしまった。

投票行こうよ!

 期日前投票を済ませてきた。
とにかくみなさん、投票しましょうよ。
逆説的に「若者に選挙に行くな」と煽る動画も話題になっている。

今の安倍政権が、国民の信任を得たなどと大きなことを言っているが、実は有権者の4分の1程度しか票を得てない。
自民、立憲、国民…どうのと言う前に投票率が低すぎて話にならん。
そんな選挙で選ばれた奴らに牛耳られている事が悔しいよ。

もひとつ、欧米の俳優、アーティスト等々は、政治的スタンスを明らかにしているが、日本はそれがやりづらい。

https://www.asahi.com/articles/ASM7C7D1GM7CUCVL03F.html

それができないなら、せめて投票を呼びかけるぐらいしてほしいものだ。

当方は昨日済ませたぞ!

久しぶりのPeter Blegvadの歌ものアルバム"Go Figure"

 昨年の2月に出されていた2mの巨漢アーティストPeter Blegvadのアルバム”Go Figure”を一週間前の金曜に渋谷のレコファンで購入。

彼の歌もの(朗読ものとかもあるので…)は、これまでもずっと追いかけてきたのであるが、以前ほど音楽方面にレーダーを張っていないため見落としていたというか、気がついていなかった。

参加メンバーは、Henry CowからSlapp Happyにかけての盟友、ドラムにChris Cutler、ベースはJohn Gleaves、そしてKeyとVoにKaren Mantler(Carla BleyとMicheal Mantlerの娘、見かけはかーさんそっくり)とギターのBob Drake。
フランス?のスタジオで10日間のんびりとレコーディングしたようだ、このメーバーで今年に入ってツアーもやっている。

音は、そのレコーディングの様子がしのばれる実にレイドバックした脱力ポップ。しかしながらリズムほか、サウンドは要所はきっちり決めてくる。
もともとシャウトして歌い上げるタイプではないので、その喉声とひねくれたメロディーを満喫、ここのところのBGM。

有馬頼義『四万人の目撃者』読了

 本日、打合せに向かう移動中のバスで有馬頼義『四万人の目撃者』を読み終える。
本作は昭和33年の日本推理作家協会賞受賞作品である。

シーズンも終盤を迎えたプロ野球、セネターズの4番新海がヒットを放ち二塁から三塁へ向かう途中に倒れそのままグランド上で死ぬ。
その死因は、心臓の発作とされたのであるが、四万人の観衆とともにその光景を目にしたセネタースのファンである高山検事。
どうしても腑に落ちないものを感じた彼は、新海の解剖と新海の背景にベテラン笛木刑事たちとアプローチを始める。
新海の妻、その妹、新海の出資する喫茶店のマネージャ、レジ係…多くはないが少なくもない、曰くありの関係者たち。

佐田啓二主演で映画化もされ、おそらく当時は話題作だったのだろう。
タイトルからして、チャレンジングだし、毒薬を特定できないうえに、その殺人の目的も見えてこない。
それでも高山検事のカンと経験で見えない犯人を追っていく。
もっとざっくりとした感じで展開していくのかと期待しないで読み進めたのだが、思いの外緻密にひとつひとつ事実を積み上げて事件の真相に迫っていくという意欲的な形となっている。

ドラフトもない頃のプロ野球を題材に今よりはるかに厳しい選手の待遇やチーム事情、一方で今と変わらぬ選手の心理と成績。
事件解決後、再びスタジアムでの野球で終わる。おそらく野球をテーマにしたはじめてのミステリなのでは…。

四万人の目撃者有馬頼義を初めての作品であったが、予想外にいろいろな面で愉しめた。
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  • Author:KsbcKSBC
  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
    日々是、思いのままにならぬことばかり。そんなオヤヂの日々。

    読んだ本、手に入れたCDなんかについてだらだらと…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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