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柴田錬三郎「今日の男」読了

 先週末に柴田錬三郎「今日の男」を読了。
 5月の2週目の新橋駅前古書祭りでゲットした中の一冊。
 これまで柴錬の眠狂四郎ものや「異常の門」など時代小説というかチャンバラ小説(こっちの方が合うような)は、大好きで読んでいるのだが、そうでない探偵小説はこれが初めて。

 主人公である気鋭の探偵小説家山河幾太郎が、そこそこの地方都市(静岡あたりか?)に事件の匂いを嗅ぎつけてやってくる。
 そのホテルで出会った謎の美女をとっかかりとして怪しい事件に踏み込んでいくことになる。
 この探偵は、言葉では言い表せないほど鋭い洞察と思考で事件の裏側にくいこむのだが…。
 どうもその鋭さが具体的に描かれることはほとんどなく、いつの間にか核心に近づいている。そのうえ、どこが魅力的なのかもわからないが、とにかく女にモテるのである。
 なにせスーパーモテモテ浪人、眠狂四郎を創出しただけあって、この山河もスーパーな探偵なのだ。

 講談社のロマン・ブックスという新書版のシリーズで2段組でそこそこのボリューム。前半のどこへ行くかわからない展開を我慢して読み進むうちに事件はどこが核心なのかわからなくなってしまう。
 一見すんなり進んでいるような感じがするのだが、実際はほとんど迷走状態。

 結局、山河の周りの美女たちの裏がスッキリしてフィナーレを迎える。最終的に「アレッ???」となり、なにやら狐につままれたか、狸にばかされたか…。

 あまり、柴錬の現代小説の評判を聞いたり、見たりしたことがないのが分かったような…読まずに済ませてもOKだ。
 期待はしてなかったけど、あまりといえばあまりな感じ。

どんと来い!大型連休

 
 世間では、間近にせまった10連休で浮足立って来ているが、実際に10連休できる確率は高くはない。
 それに、そういう状況で特別な予定もない。

 今の所、片付けをしたり、土いじりをしたり、近所へでかけたりの日々となる感じ。
 そのほかとして、古本を買い込んで空いた時間に備えることとした。
 それが、このラインアップ。

 これ以外にも数冊あるので、そこそこいい感じと予測している。

38年ぶりの「気分はもう戦争 3」


 今朝の朝日新聞に驚きの一面広告、なんと漫画アクション最新号の広告。
 あの大友克洋の「気分はもう戦争」の続編掲載だと。

 朝、駅のコンビニで早速ゲット。前に漫画雑誌を買ったのはいつのことだろう。
 前作から38年ぶりとなるのだが、意識してだと思うけど、その筆致は当時とほぼ一緒。
 最後のページに原作者、矢作俊彦の「Long Goodbye See You Soonだぜ」とあるので、遠くない将来、続編があるかも…20年後くらいか?

ポスターのおまけ付き、ほかには全く興味はない。
ばらして、表紙と「気分はもう戦争 3」だけにして、あとは読むこともなくゴミ箱行き。

 朝日新聞の広告も保存に回ったことは言うまでもない(笑)。

久しぶりの本の雑誌

 
 昨日、書店で本の雑誌4月号の表紙が目に飛び込んできた。

 発売日から時間が経っているのたが、特集の「昭和ミステリー秘宝館」の文字に引っかかってしまった。
 編集部には申し訳ないが、それほど分厚い企画でもないし、見送ろうかとも思ったのだが、「番付表」が気になって手にとってしまった。

 その番付表には最近ハマっている作家は、しっかり載っていた。
 記憶をたどってみると、本の雑誌を買ったのは5年くらい前の「東京創元社」特集だったような…。

新橋古書祭りの収穫


 仕事で鎌倉へいったその帰り道、新橋駅前で開催中の新橋古書祭りに遭遇。
 200円棚で4冊ゲット。

 日影丈吉「女の家」はうれしい。他にもこの手の新書が…結城昌治も数冊あったが、ゲット済み。
 笹沢ももう2冊ほど買っとけばよかったかな。

横山秀夫「ノースライト」読了

 このところ結城昌治、河野典生、笹沢左保と昭和ミステリーを立て続けに読んではいるが、年度末スケジュールで落ちつかずでかけぬまま…。
 そこに先週末に飛び込んできたのが横山秀夫の新作「ノースライト」出版のニュース。月曜は、蕁麻疹の余波もあり、書店で手にとっては見たものの見送ったが、翌日には買ってしまっていた。
 で、先程読了。

 前作「64」から6年ではあるが、本作は新潮社の雑誌「旅」に2004年から2006年にかけて連載されたものを大幅に改稿したもの。
 バブル崩壊を経験した一級建築士青瀬の再生の物語?である。

 自らが設計し高い評価を受けた住宅に、完成を喜んでいた施主の姿はなく、一脚の椅子だけが置かれていた。
 冒頭からしばらくは、「謎解き」に向かう運びはややまどろっこしい、青瀬をとりまく建築業界とドイツ人建築家ブルーノ・タウトに関してにさかれている。
 ただ、それは決して無駄ではなく物語の進行にシンクロしてくる。
 公共案件のコンペに絡む建築界のドロドロといくつかの家族の姿が、”横山ミステリー史上、最も美しい謎”を発端に描き出されていく。

 始まりは施主の失踪というミステリーではあるが、実は「再生」を描く人間ドラマである。
 ただ、時おり使われている言葉(熟語や漢字)に、馴染みが薄ものがあり、若干、気になった。

紅 東一『午前零時の男』読了

 昨日は、世間は盆休みということもあってちょいと早めにあがって西荻の古書店盛林堂へ。
 目的は、このお店が出している盛林堂ミステリアス日文庫の 紅 東一『午前零時の男』の購入。限定の出版とあってネットではうまく購入できない可能性もあったので、店頭販売初日に参上となった。
 それもあってなんとかゲット。早速、手を付けたらあっという間に読み終えてしまった。

 収録されているのは、昔の日活の無国籍アクション映画のような短編が4作。どれも悪くいうとペラッペラの軽〜い展開。とはいえ、今となってはこんなお話誰も書かないし、たまにはこんなのもいいかな…。
 あわせて装丁は、知る人ぞ知る昔の春陽文庫のテイストという狙いがハマっている。まあ、一瞬ではあるが愉しませてもらった。

 本当は、同じ作者の別名義の作品集が本命、来年めどのそちらの出版を愉しみに待つべし。

土屋隆夫『危険な童話』を読了

 日曜の夜に土屋隆夫『危険な童話』(光文社文庫)を読了。
 前に読んだ結城昌治の『罠の中』とほぼおなじ年代の1961年の作品。

 舞台は、長野県上田市、仮釈放となった男が音楽教室の教師江津子の家でナイフで刺されて殺される。警察は、状況から江津子を容疑者として操作を進めるのだが、かたいアリバイと見つからない凶器に阻まれるのであった。

 上田署の木曾刑事は、江津子を拘束して取り調べを進めるが、アリバイ・凶器はおろか動機もアキ赤にすることができない。やがて、別に犯人が居るかのごとく犯人しか知らない事を記した別人の指紋が付きの手紙が送られてくる。

 現在の捜査技術を使えば明らかになる部分もこの時代の技術では、事件解決の曖昧な緒にしかならない。木曾刑事の執念と地道な操作によって、一歩一歩謎が解かれていく。

 各章の冒頭に挟まれる自殺した文学青年作の童話が鍵となる文学的な試みも…。そして、明らかにされる驚きの背景と悲しい過去。

 アリバイも凶器消失のトリックも今となっては、ほとんど使うことが難しいものであるが、そのノスタルジーと交錯する登場人物の思いが、心に響く。

やや残念なのは、このカバーのデザインが?なところか。

結城昌治 『罠の中』読了

 結城昌治の『罠の中』を昨晩読了。
 Amazonで入手したのが、1961年の初出、「新潮社 ポケット・ライブラリ」というポケミスみたいな判型のもので当時のお値段180円なり。巻末に松本清張『歪んだ複写』や佐野 洋『秘密パーティ』の広告が…。
 黄ばみはあるものの60年弱前とは思えない、きれいな状態で少しうれしい。
 60年代初期の作品で、長編3作目とのこと。

 罪を償った者たちの更生施設「新生会」の事業主である元警察官の矢次収造は、南方戦線のソロモンで戦った海軍陸戦隊の隊長だった。
 サブタイトルにある「刑余者更生会殺人事件」が示すようにこの矢次が経営する施設で事件が起こる。矢次は、補助金のピンはねをして私服を肥やす悪徳経営者なのであった。

 ある日、軍隊時代の部下であった森川耕作が借金の無心にやってくるが、心底ドケチの矢次は厳しく拒否するのであった。その直後、新生会の施設の柿の木でクビをくくって果てる森川。
 事件は、自殺として処理されるのだが、この後から矢次に対してヤマガミと名乗る男からゆすりが始まる。ネタは、終戦間際のソロモンで隊長の矢次と森川が瀕死の部下30名を見殺しにしたというものだった。
 もはや戦後ではなくなったはずではあるが、ここには戦争が影を落としている。
 矢次には、ヤマガミなる男に覚えはないが、根っからのケチと独善的な性格から追い込まれていく。
 それだけでなく、新生会で働く人物も癖が強〜いんじゃなやつばかりだし、妾のアキ等々なんとなく怪しい。ただひとりの味方?が事務員の頼りない野見六郎という始末。

 やがて第二の事件が起こる、矢次の長男啓一が絞殺されて発見される。どいつもこいつもアリバイがあるようでいて怪しい。色んな後ろめたさもあって夜も寝られなくなる矢次、追い打ちをかけるようにヤマガミからの電話がかかる。一体ヤマガミとは何者なのか?そして真犯人は…。

 物語の後半に入ってなんとなくコイツでは…と思わせる展開になってくるが、一応意外な人物の犯行であることが判明する。
 印象的なのは、エンディング一歩前までかわることのなかった矢次の独善的な態度がかわる最後の一文である。

J.A.オールスン『特捜部Q -自撮りする女たち-』読了

  思いの外、時間がかかってしまったが昨日、絶好調人気シリーズ第7弾、J.A.オールスン『特捜部Q -自撮りする女たち-』(ハヤカワ・ポケットミステリ)を読み終えた。
 予定としてはGW中に読んでしまうつもりでいたのだが、玉川上水散策計画などもあったのと、前半の本格的に事が起こるまでの展開がグズグズで今ひとつピッチが上がらなかった。読み始めてから3分の1消化に時間がかかってしまった。

 しかし、「女たち」が起こす最初の事件からは、トントン拍子?。それに特捜部Qメンバーのローセのこころを壊した過去にナチスの影までが絡んで、複雑な展開。とはいうもののページを捲るテンポは落ちることはなく一気にフィナーレへ向かって突き進んだ。
 とにかく今回は、色んな意味で女たちである。出てくる女たちどいつもこいつも困ったちゃんで、前半のグズグズ感が一層強かったのだ、しかし後半その困った状態が、展開を面白くしてくれるだが…。

 本作で、エキセントリックなローセのキャラクターを形作った背景が明らかにはなったが、この後、彼女がどうなるのか…相変わらず謎のままのアサドの正体、そしてカールのトラウマとなっている事件についても気になるだけ気になる状態で、自作へ…と続くのであった。どうやらまだまだ先は長そうである。

 年末から今までにコナリーやら結城やら6作書いていないままの本が残っているのだが、それは積み残して、積ん読分へ進行する形になる。次は、引き続きマイブーム?結城昌治である。
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  • Author:KsbcKSBC
  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
    日々是、思いのままにならぬことばかり。そんなオヤヂの日々。

    読んだ本、手に入れたCDなんかについてだらだらと…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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