M・ヨート/ H・ローセンフェルト『白骨』(上)(下)読了。

 スウェーデン・ミステリー、犯罪心理捜査官ゼバスチャンシリーズの3作目。
『怪人ジキル』の前に読み終えていたのだが、その筋の話題の書『怪人ジキル』を優先してしまった。

今回の事件は、トレッキング中の女性が見つけた6体の白骨死体から話が始まる。その頭蓋骨には銃弾による穴が…。
セバスチャンら殺人捜査特別班が現地へと早速駆り出される。死体は子供らしき2名を含むものだが、身元はわからず、謎は深まってゆく。

なにやら猟奇的大量殺人か…と盛り上がるのだが、ストーリーはチームのヴァニアとセバスチャンの関係を中心にメンバー内の様々葛藤が挿入されるのと、事件の元と思われるムスリム移民関連の展開が細切れになってさっぱり落ち着かない。

これまで、セバスチャンの嫌キャラで引き回していたのだが、今回はそれが効いてこない。キャラの魅力減少で黄色ランプ点灯中となった。
風呂敷を広げた6人の殺人の捜査も尻すぼみ気味で、思いの外あっさりと風呂敷がたたまれてしまう。
どちらかと言うとチームの人間関係がメインで殺人事件がサイドストーリーのようだ。本末転倒、これでは当方は愉しめない。
映像化を意識した展開になっていて前作と比べるとかなり、読ませないものになってしまった。
最後の最後がトンデモ的に終わっているのも映像的なるものの典型か…。

とりあえず読み終えはしたが、かなり残念な印象。
次が大丈夫か心配だ。

盛林堂ミステリアス文庫 波野次郎『怪人ジキル』読了

 盛林堂ミステリアス文庫 波野次郎『怪人ジキル』読了。
う〜ん、???????。トンデモ本と知っていて読んでも言葉が出ない。全くもってお手上げ。

ストーリーを紹介する気さえ萎える。ブッ飛んでいると言えばぶっ飛んでいる。
あまりに適当というか、いい加減と言うか…面白くないと言えば面白くない、
可笑しいと言えば可笑しい。

前半のジキルが後半に活かされていないまま、突然殺人〇〇スへ、こちらの脳内処理がついていかないほどの危ないシロモノ。
表紙、豊富な挿画ともにヘタヘタ(ヘタウマにならず)で、ストーリーをイメージさせることに全く役に立っていない。
もう?マークの大行進。何よりもどういう経緯でこの本が出たのかがミステリー。

ネタ元になったカミの作品は未読なのでなんとも言えないが、もう少し上手く処理されてるんじゃないかと思い。
なんとなくうまく翻案出来ている感はうすい。こちらを是非もので読んでみないといけない。

なにはともあれ、この本を発掘した古書山氏、そして復刻出版した盛林堂さんに感謝?
あとがきに挙げられたうち、個人的に『発酵人間』を推す(笑)。

マイクル・コナリー『ブラックボックス』(上)(下)(講談社文庫)読了

 ずっとFacebookでしか日常をアップしていないかったのだけど(Blogだとレイアウトが面倒くさいので)、久しぶりに更新してみることにした。

ちょっとづつ振り返って以前のFBのネタもアップすることもありか…?

昨日、マイクル・コナリー『ブラックボックス』()()(講談社文庫)を読了。
アメリカ本国でボッシュ・シリーズ誕生20周年の記念すべき作品。

今回の物語は1992年のロス暴動が発端となっている。
暴動の対応にあたるロス市警のボッシュらにもたらされたデンマーク人女性ジャーナリストの死。
それは、やがて時間の中に埋もれてしまうが、未解決事件としてふたたびボッシュの目の前に浮上してくる。
いつものように自分のやり方で事件を追うボッシュ。

ボッシュの捜査の先に現れたのは、湾岸戦争で中東に派遣された兵隊たちだった。
まあ、いつものようにアメリカのダークな面が読むものにさらされてエンディングを迎える。今回はちょっと、あっけない感じがあったが、最後の最後のボッシュの言葉が重いシリーズ16作目。

小酒井不木『疑問の黒枠』(河出文庫)読了

 小酒井不木『疑問の黒枠』(河出文庫)を一昨日、読了。

う〜む、正直しっくり来なかった。初期の探偵小説は、たいがい無理なプロットでもそれなりに楽しんで読めるのだが…。
何が合わなかったのか、文章がすんなり入ってこないままにラストを迎えてしまった。

お話は、ある富豪のニセ死亡広告が何者かによってだされる。それを受けてこの富豪は模擬葬式を行って、還暦と娘の結婚を祝おうとすのであった。
しか〜し、富豪は棺桶の中から出てくることはできなかった。
というような始まりで、娘がいなくなったり、富豪の婦人が病死したりと、面白くなりそうなバタバタが起きるのだが、大した厚さでもないのにページが進まず手間取った。

まあ、誰彼と奨めるような本でもないのでちょっと残念という結論。
お次は、M.コナリーの国内最新刊『ブラックボックス』(講談社文庫)下巻を侵攻中。

酒見賢一『泣き虫弱虫 諸葛孔明 第伍部』(文藝春秋社)読了

 昨晩は、台風18号の影響でかなりの強風で窓の振動と風切音が明け方まで続いて睡眠が十分では無かったし、フェーン現象などでかなり暑い日となった。

ということとは関係なく昨日、酒見賢一『泣き虫弱虫 諸葛孔明 第伍部』(文藝春秋社)読了。シリーズもこれを持ってフィナーレ。

前回までに劉備・関羽・趙雲、曹操もこの世を去って、魏・呉・蜀もそれぞれの皇帝がたち『天下三分の計』が形に。
孔明は、最終目標に向かって南蛮征伐を実施、さらに魏を倒すために北伐へ。

そしてそして、「死せる孔明生ける仲達を走らす」という運命の五丈原をむかえるのであった。
孔明の死後も三国志はもう少し続くのであるが、この物語はここまで。
初巻からノリもよくテンポよく展開する酒見節は、あたかも格闘技中継を見るような読んで楽しいエンタテインメント。

第四部までは、文庫版も既刊。

J.トンプソン『血の極点』(集英社文庫)読了

先日、古書店でゲットしたJ.トンプソン『血の極点』(集英社文庫)を読了。

フィンランド警察カリ・ヴァーラシリーズの最終巻。最終巻と書いたが、話が終わったわけではない。トンプソンが急死したためこれが最終となった次第である。

今回も弱きを助け、法の隙間と敵の弱みを突いた攻めでフィンランド社会の悪を挫くヴァーラたちであった。
ただ前作までの流れを引き継ぐ展開が長い。今回のお話がなかなか始まらない、そのうえ解決までが思いの外タンパクなので物足りない。

ゆくづく、いよいよヴァーラが警察官として本格的に法で裁けないヤカラを切りまくる立場になって…というところで次作がのぞめないのが残念。

日影丈吉の『幻影の城館』(河出書房)読了

 ここ何年か読書のしかたが変わってしまった。以前はつかれていても寝る前のや電車の中での読書が気分転換だった。
 しかし、今では布団に入って本を広げるとすぐに睡魔が襲ってくるし、移動中の電車の中もなんとなく周りの会話や音が気になってしまう。

 昨晩、久しぶりの日本人作家日影丈吉の『幻影の城館』(河出書房)を読み終えた。さまざまな時代の作品全11編収録の河出書房オリジナルの傑作選。
 どの作品も日影節というか、独特の不思議な感覚に包まれた作品が並ぶ。最後にドキッとさせる「オウボエを吹く馬」に始まり、あるときはノスタルジー、そしてあるときはエロティシズム、そして謎解きと著者のさまざまな面が楽しめる。

 幾つかの作品集を読んでいるが、どの作品未読、この一週間忙しいなかでも楽しめた。
 もう一冊、日影集が出ているようだが、そちらは既読作品が多そうだ。

M.ヨート&H.ローセンフェルト『模倣犯』<上><下>読了

 毎年のごとく年度末から年度初めにかけては、バタバタで終始。当然、読書も気持ちよくはかどらずとなっている。先週、半月をかけてなんとか、M.ヨート&H.ローセンフェルト『模倣犯』<><>を読み終えた。
 面白いには違いないのだが、なにせ気持ちが小説世界にじっくりとはいかず、ちょっと読んでお休み…を繰り返す状態が続いた。なんとか下巻に入って、展開も激しくなるし、コチラも少し気持ちが入ってスピードが上がった。
 
 嫌キャラのセバスチャンが、名を挙げるきっかけとなった連続殺人事件の手口を真似たと思われる事件が発生。元の事件の犯人ヒンデは服役中で実行は不可能だ。
 セバスチャンはクビになったはずの捜査チームに押しかけ復帰、事件解決に取り組む。
 前作で明かされた衝撃の事実?が、展開のキーにもなっているので、ネタバレになるためアレコレ書けない。
 「ヴァランダー」や「The Bridge」の人気TVドラマの脚本を担当しているだけあって、読み気をつなげるところは流石だと思わせる。
 ラストも次作?へのブリッジも配置されて、次が待ち遠しい憎らしいエンディング。
 
 読んで損はないが、前作から読むのが必須だ。

P.ルメートル『悲しみのイレーヌ』(文春文庫)を読了

 今日は、昼間に荻窪の回転寿司へ(笑)意外や意外、リーズナブルで思ったよりもうまかった。

 ところで、先週のうちにP.ルメートル『悲しみのイレーヌ』(文春文庫)を読了。年末から年度末にかけてのバタバタで読書エンジンは出力不足でスピードダウン中。
 本作も思いのほか時間がかかってしまって、作品自体のテンポを体感できないままになってしまった。
 とはいえ、内容は文句し。まあ、『アレックス』を読んでいるので分かってしまっている部分もあったり、なんとなくコイツじゃね…と思ってしまったりするのであるが、過去のミステリーに対する思いも盛り込まれて、ニンマリしたりする。

 できれば『アレックス』より本作を先に読むことをお薦めする。

F.v.シーラッハ『禁忌』読了

 先週のうちにフェルディナント・フォン・シーラッハの『禁忌』(東京創元社)を読了。
 通常のミステリと呼ぶには無理のある展開であるが、事件が起こり、裁かれる者、裁く者、弁護する者が登場する。

 主人公?エッシェンブルクは、貴族の末裔で特殊な色彩感覚を持った写真家である。前半は彼の生い立ち、その後は検察、弁護士、裁判の経過が描かれる。
 もちろん事件が起こり、エッシェンブルクは逮捕され、自白し…という展開。
 何かを書くとネタバレになりそうなのでここまでとする。

 相変わらずするどくシンプルな文章、原文もそうなのだろうが、翻訳の酒寄さんの力もあるのだろうと毎度痛感する。
 当然、エッ?となるような結末も…難解といえば難解、シンプルといえばシンプル、今回もシーラッハの罠に嵌まるのであった。
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  • Author:KsbcKSBC
  • 不惑の年をとうに過ぎてしまったオヤヂのモノローグ
    日々是、思いのままにならぬことばかり。そんなオヤヂの日々。

    読んだ本、手に入れたCDからフライフィッシング、サッカーなんかについてだらだらと…。
    ちなみにMacユーザ歴は20年ですが、最近はめっきり…。

    読んでいただいてありがとうございます。せっかくですから、何か書いていっていただければ幸いです。
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